エンジニアの評価は誰もできない

エンジニアがマネージャになって困ることの1つにエンジニアの評価というものがある。

それはそうだと思わないだろうか。エンジニアからマネージャになったとして、では、エンジニアを評価できるようになるかといえばエンジニアであったときに一度も他のエンジニアの評価をしていないのだから、未経験なのである。

さて、そうしたマネージャにエンジニアの評価ができるだろうか。

エンジニアの評価は、エンジニア自身が関心を持っているもので、ときどき、勉強会などでも見かけるときがある。エンジニアの流動性と技術への関心が一部とは言え高まっていることは、これまであまり日の目を見てこなかったというか日本人の変なお金に対する潔癖感というか大事なはずの賃金を公にすることを回避することが美徳のような考え方が変わってきたことは好ましいのではないかと思っている。

組織によっては、役員報酬をオープンにしたり、社員は全員公開しているケースも見られるようになった。圧倒的に、従業員は給与テーブルだけ公開し、評価レベルは非公開が多いが。

話を戻して、マネージャ歴の長い人でさえ悩みを持っている方が少なくない。だから悩みを聞かされるわけだが。

多くのマネージャに対して、エンジニアに対する評価を説明することを求めると、多分、評価の根拠を説明できない。

なぜなら、どのような評価基準を持っているかを聞いても答えられないからだ。では、なぜ答えられないのかを突っ込んで尋ねると、うまく説明してもらえない。

これ以上は聞いても答えられないケースが多いだろうからとそれ以上は突っ込まないが、ひっくり返してみればわかることではある。

評価基準を持っていないためである。

割と衝撃的かもしれないが現実とはその程度である。

別な視点で言えば、評価基準を持っているマネージャは、業務目標の設定でかなり定量的に設定することをエンジニアに要求し、双方の合意を図っているものだ。

これも逆が成り立つ。業務目標を定量的に設定することを求めないマネージャは評価基準を説明できない。

 

では、誰がエンジニアの評価をできるのだろうか。

エンジニア自身が自己評価をさせても過小評価する場合と期待値を含めた過剰評価の二極に分かれてしまう。

一緒に働くエンジニアに評価をさせたとしても忖度が働いたり、自分より低いレベルのエンジニアには関心を持たないが、自分より高い評価をされているエンジニアに対しては関心を持つことが多い。

独自だとしても評価基準を持っているマネージャは少ない。

結局、エンジニアを適切に評価する解決策はないのである。