進捗で巻き込まれ事故を防止するために知っておくと助かるかもしれない

エンジニアがプロジェクトを俯瞰した視点で見れているかどうかはリーダ役を任せられるかどうかという判断の1つになると思う。俯瞰と言ってもどこまでの範囲を見れていればいいのかという感覚的なところに依るものもあるが。

例えとして、『アイツは猪突猛進のタイプだ』『視野が狭い』などと耳にすることは以前はちょくちょくあった。最近は聞かなくなったのは別の表現に置き換わったからか、それとも周囲の環境の変化だろうか。いずれにしろ、目の前の自分の仕事だけしか視界に入らないエンジニアでは担当エンジニアとしてさえ、分業化しているIT業界でやっていくことは難しい。なにせ自分の担当の仕事を進めるだけでも同じチームのメンバや外部のチームに頼みごとをしなければ進まない。

リーダ役を任せるなら俯瞰した視点を必要とするのは、自分の仕事と周囲の協力がないと進捗しない協力関係性を持っているからだ。明示的な協力関係性はWBSなどに現れる。自分のインプットに他のメンバの作業と前後関係がある、自分のタスクの後続に他のメンバのタスクがインプットとして待っている、などだ。暗黙的な協力関係性には、外のチームの進捗遅れに足を引っ張られるようなケースなどである。

自分や自分のチームの進捗でクローズしている作業、つまり外部からのインプットも制約も受けないタスクはリソースの確保と意思決定でどうにでもなる。この範囲であればリーダ的視点はなくても構わない。ただし、外部からの制約を受ける要素を持つのであれば、外の進捗も外部からの影響の把握を怠ればそのインパクトに巻き込まれるだけである。

言い方を変えれば、自分の範囲の作業は、進めることもできるし、進捗を止めることもできる。なぜなら必要なリソースの割り当てと進めるか止めるかの判断をする権限を持っているからである。ところが外部からの制約元にはそうしたリソースも意思決定も及ばないことから進んでいるのか停止しているのかは自ら情報を取りに行く他ないのである。

簡単な表で表すと自分のチームの進捗がよくても*印の組み合わせは実は拙いことがわかる。

 

     外部| 進捗している | 進捗してない

内部     |        | 

ーーーーーーー+ーーーーーーーー+ーーーーーーーー

進捗している |  オンスケ  | 巻き込まれ *

ーーーーーーー+ーーーーーーーー+ーーーーーーーー

進捗してない |ご迷惑かけてる | やばい

 

自チームの進捗が滞っているのであれば他所の進捗はどうであろうと、他所に影響を与えているので他に気を配るどころじゃない。全体としてはウォッチされるので半ば強制的に情報共有が行われる。ただし、*印は自分達から外に向けないと(遅れを隠蔽されることもあるので)情報を取れない。

そういう意味では自チームとそれを取り巻く他所のチームは二重構造をしていてそれぞれで進捗している。

 

          他チーム

       +ーーーーーーーー+

       |  自チーム  |

       +ーーーーーーーー+

 

それぞれで、という感覚を常時持っていることが大切で、それを失うと気づいたときには取り返しが難しい(手遅れ)、ということになっていることだってありうる。

プロジェクトは生き物だと表現されるときは、そういう意味合いもあるからなのだろうと思う。