都合の良いエンジニアから、最速で終わらせてくれるエンジニアと思われたいなら

ダメなエンジニアはとにかく手をつけてしまう。もちろん、周囲から『あれはやったか』『なる早で』『今日中に』と着手するような圧を受ける。

良いエンジニアであることの前に、『いい人と思われたい』という内面が先に立つと『わかりました」『この後やっておきます』と言うのだ。

今だっていくつかのタスクを抱えているのに割り込みされる。内心、次々とあれやこれやとお願いという丸投げされているのに。一体、いつやれるっていうんだ、と思っているのではないか。

心当たりばかりなのではないか。

そうした環境は、実はエンジニアであるあなた自身が作っていることに気づかなければならない。仕事を振ってくるプロジェクトマネージャやリーダがそうした環境を作っているのではない。仕事のWIPを考えもせずに振ってくるプロジェクトマネージャやリーダはあなたを便利に使っているにすぎない。例えれば、いくらでも入るspoolなのである。そこに入れておけば処理してくれると思っている。

あなたがしなければならないことは、次のことだ。

  1. 他人に良い人だと思われようと思わない
  2. 始める前に終わらす
  3. WIPを1にリセットする
  4. タスクは時間で見積もる
  5. 仕掛かり中のタスクをチームに認知させる
  6. 他人に良い人だと思われようと思わない
  7. 割り込みされたら、仕掛かり中はリスケするが良いかとその場で判断させる
  8. 始める前に終わらす
  9. 他人に良い人だと思われようと思わない

とにかく、他人に良い人だと思われようと思わないことだ。良い人と思われることが仕事への貢献ではない。

手をつける前に今仕掛かりの仕事があるかないかを確認する。反射でやりますと言ってはいけない。いくつもタスクを抱えているエンジニアは仕事ができないエンジニアだ。仕事ができないとは、ものすごくアウトプットが遅いという意味だ。

複数のタスクを抱えていれば、その数だけタスクを変えるときにどこまでやっていたか資料やメールを読み、思い出し、それから作業を始めざるを得ない。スイッチングは無駄で何も生産しないし、コードも仕様に勝手になってくれない。

いくつもタスクを抱えてしまうことを矯正するために、一度、WIP=1とする。始めたければ、抱えているタスクを終わらせる。

タスクは終わらせろ。

自分の能力を認識し、受け入れることも必要であるから、担当するタスクの見積もりの単位を時間でやる。1時間で終わるか。3時間必要か。その間に割り込みを入れない。集中して、理想でやる。そう考えると仕事に割り当てられる時間はなんと細切れかを知ることになる。会議が多い。無意識に休憩を取っている。ネットで時間を消耗している。

純粋にタスクの見積もりを時間でやる。

周囲に、チームに、割り込みをしてくる外野に仕掛かり中であることを遠慮なくいう。

とにかく、他人に良い人だと思われようと思わないことだ。良い人と思われることが仕事への貢献ではない。

その割り込みをやってもいいけれど、仕掛かり中の仕事は割り込んだ分、リスケになる。残業することでリカバリーしようと考えるのは愚かなエンジニアがすることだ。残業は自分がミスったときに取っておく。他人の依頼のタスクに割り当ててはいけない。

割り込んできた人に仕掛かり中のタスクを依頼した人と調整してこい、と言い返してもいい。判断させる。

タスクは終わらせることにだけ価値をもつ。

とにかく、他人に良い人だと思われようと思わないことだ。良い人と思われることが仕事への貢献ではない。

 

あなたの評価は、都合の良いエンジニアから、最速で終わらせてくれるエンジニアに変わる。

最初は変な顔をされるが、そのうち慣れる。何しろ、仕事を終わって欲しいと思っているより前に終わらせてくれるからだ。

 

WORK IN PROGRESS - OUTTAKES 1963

WORK IN PROGRESS - OUTTAKES 1963