就活生の長所の書き方

就活のエントリシートの『長所』欄に何を書いたら良いか困っている友人がいると相談があった。そう言えば、学生のときに長所を捻りながら無理やり書いた覚えがある。アルバイトの履歴書にも書いたかもしれない。ああいった長所を書かせてどう言う意味があるのだろうか。申し込みする側からネガティブなことを書くわけがないよな、と改めて思う。

『明るい』『柔軟性がある』などを書くとありきたり、自分がないなど逆手に取ってイチャモンをつける面接者がいそうだ(実際いるのだろう)。

何十人かの学生の面接をしたとき、実際に経歴書のどこを見ていたかを思い出す。名前は識別するために見る。性別は気にしない。写真は訪問してきたときに間違えると失礼だから見る。住所は地方だな、とか近いなくらいの参考にしかならない。大学はほほーと感心するだけだ。ほぼ100%自分より良い学校の卒業見込みの学生であるから、それよりは学部なり、専攻を見る。あれ情報系ではないのかとか数学なのかとか。だからと言って学部でふるいには掛けない。縁あって4月に会えるのであれば、教育は組織で行うので。もちろん知識があった方が良いが、それは小学校に入る前に公文に行っているとアドバンテージを本人が持っているようなものである。研究室に入っていると卒論のテーマは尋ねるがそれは会ってからだ。

いよいよ長所、短所である。うーん、記憶がない。あと学生での活動をアピールするように勧められているのだろうが、サークルのリーダをやったとか、ボランティアをやったとか書いているケースをまま見かけるが一切、考慮しない。逆に◯ナビなどに踊らされているようで気の毒になる。そんなことはビジネスには無関係であるから見ない。社会人になっても個人のお時間でご自由にやってもらって構わない。ただ、採用には全く気にしない。もしかしたら人事担当は気にしているかもしれないが現場のマネージャとしては気にならない。

第一、◯ナビのようなサイトを見たり、就職課(学生課か)が勧めるように書いたら全員同じじゃないか。どこで差別化するのだろう。均一になるとそれはどうでも良くならないだろうか。

では、エンジニアのマネージャである中の人の立場でどんな風に就活生を見ているか。職場のメンバに就活生に近い年齢やだいぶ年齢の離れたプロフェッショナルなエンジニアに指示する際にどのように申し渡しているか。

それは、

「一緒に働きたい学生がいたら推してくれ。ただし推したらその学生が入社後一人前になるまで面倒見てもらうからね』

とオーダする。仮に採用されて、入社に同意してくれて4月を迎えることになって、配属は別の組織になったとしても、メンターはできるので。学生にとって味方になってくれる知り合いは多い方がいい。

もちろん、雰囲気で選ばないように釘を刺す狙いもある。こんなやり取りをしながら面談をしてもらっている。

では、長所欄に何を書けばいいか。

『一緒に働きたいと思えるか』

多分、これだけだと思う。では、それを後方からサポートするのは何か。面談での会話になる。履歴書は補助情報として見る。出身の学部なども少しは参考になる。

エンジニアのスキルには、その人を映す基礎スキルと技術を習得し適用できる技術スキルが必要だ。後者の技術スキルは入社後にやればいい。基礎スキルは後天的な性格で補完できる部分は良いが先天的な生まれ持った性格は直せるものではない。これが割とその人の振る舞いに現れる。

学生から見れば、自分の有利なフィールドで話をしたいはずだ。そこで、長所欄でアピールするわけだが、そこは自分が面談する側であれば、一緒に働く際にやっていけるかがわかるきっかけが欲しい。それは職種がエンジニアでなくても同じだと思う。

『一緒に働きたいと思えるか』をどう書くか。

例えば学生はコンサルタントをやってみたいと希望を持っているとする。IPAのコンサルの定義はこうだ。

知的資産、コンサルティングメソドロジを活用し、顧客の経営戦略やビジネス戦略およびIT戦略策定へのカウンセリング、提言、助言の実施を通じて、顧客のビジネス戦略やビジョンの実現、課題解決に貢献し、IT投資の経営判断を支援する。
提言がもたらす価値や効果顧客満足度、実現可能性等に責任を持つ。
IT投資の局面においては、経営戦略策定(目標およびビジョンの策定、ビジネス戦略策定)および戦略的情報化企画(課題整理および分析(ビジネスおよびIT))を主な活動領域として以下を実施する。
-経営戦略策定
・目標およびビジョンの提言
・ビジネス戦略策定への助言
-戦略的情報化企画
・ソリューション策定のための助言

引用 IPA https://www.ipa.go.jp/files/000068634.xlsx

赤字は筆者。

 ここからキーワードを拾って長所を書いてしまえばいい。

『友人の悩みを聞き、手法を調べたり知っている方法を利用して課題を解決するのが得意』

この長所から得られる情報には、以下の事項が挙げられる。

  • 聴く能力がある(カウンセリング)
  • 手法を自分で調べられる調査能力がある(メソドロジの活用)
  • 課題を設定できる(提言がもたらす価値や効果)
  • ソリューションを導き出せる(戦略策定)
  • 提案でコミュニケーションができる(助言の実施)

もちろん、これのエビデンスを用意しておく必要がある。でも、明るいや柔軟性がある、よりはいいでしょ。

こっちの方で話すように面談者を引き込めれば勝ったようなものだ。少なくとも自分はそっちの話を伺う。

 

まあ、いきなり履歴書を書こうとして長所を悩むよりは、自分の性格の特徴をどうポジティブに捉えるか1冊本を読んで、こうした対策もあることを知ってからでも遅くないと思うけどね。

 

 

 

 

就職四季報2020年版

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