バブル末期入社のシニアエンジニア

少し時間をとってHBRの最新号を斜め読みする。特集は『シニア人材を競争力に変える』のだそうだ。

 

 

目次を眺めて気になるのは以下の赤色の記事だ。

│特集│

シニア人材を競争力に変える

●働き続ける時代のマネジメント
シニア世代を競争優位の源泉に変える
ミルケン研究所 センター・フォー・ザ・フューチャー・オブ・エイジング 会長 ポール・アービング

●環境変化にいかに適応させるか
中高年の再教育プログラムの効果を上げる7つのポイント
ハーバード・ビジネス・スクール 教授 ウィリー C. シー
ベイン・アンド・カンパニー コンサルタント ハワード・ルドニック
元 ハーバード・ビジネス・スクール MBA受講生 コリーン・テーペン

●現場のナレッジ喪失は経営課題である
優秀なベテラン社員の退職リスクを抑える方法
ミシガン州立大学 教授 ピーター・バーグ
ウェイン州立大学 助教 マシュー・ピシュチェク

●キャリアが描けない企業に未来はない
ポストが空かない職場で若手の意欲を高める3つの施策
ノースウェスタン大学 ケロッグスクール・オブ・マネジメント 助教 ニコラ・ビアンキ
香港大学 教授 ジン・リー
ノースウェスタン大学 ケロッグスクール・オブ・マネジメント 准教授 マイケル・パウエル

引用 DIAMONDハーバードビジネスレビュー 2019年 4 月号

 

まず読む前から斜になって読めてしまう。何を平成も終わろうかというときになってシニア世代を競争優位の源泉に、だ。

自分はマネジメントに就いてすぐにシニアエンジニア(といっても当時40代の同世代の)活用を考える必要があった。気を抜くといつお取り潰しになるかわからない事業だったので、チームのロールと技術(ノウハウ)をスキルマップに展開して、新しいプロジェクトチームをどうすれば編成できるかを考えていたものだ。

単純な話で、ビジネスを成長させたければプロジェクトをキャリーできる新しいチームを編成できる要員を確保すればいい。確保すればいいが、手持ちの要員で簡単にできないのがエンジニアを主たるリソースとするSIビジネスである。ビジネスの成長と別のパイプラインで育成も必要になる。しかもビジネスと育成は関連性はとても強いが同期しないところがミソだ。

シニア世代のエンジニアをビジネスの成長に活かすには、当事者であるシニアエンジニアにビジネスを引っ張る覚悟と実践をしてもらわなければならない。

どうしたかというと、マネージャとしてビジネスプランを話し、プランに乗らなければ評価しないとストレートに伝えただけだ。シニアエンジニアには、小規模のプロジェクトのプレイングマネージャになるか、SEリーダとしてプロジェクトの技術とエンジニアの育成の担い手のどちらを選ぶか。

規模の小さいプロジェクトならプレイングマネージャになることを避けられないから、必然的に前者はシニアエンジニアの誰しもがその機会が回ってくる。話をよく聞いて理解しようとすればすぐにわかるトリックだ。そこでノーと言えば仕事の評価はプレイングマネージャをやったほうを評価する。

そんなやり方は自分だけで考えついたものではなく、他にも誰だって気がつくものだ。このやり方が平成の終わりになって亡霊のように復活したのは、ビジネスプランに乗らないと評価しないと伝え、実際、貢献で評価していないからではないか。マネジメント側の運用が機能していないのではないか。そう思えて仕方がない。

 

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ところで、シニアエンジニアに限らず(シニアエンジニアの方が多いが)、期待に対するパフォーマンスの出ないエンジニアをときどき見かけた。他のチームなら放置でいいのだが、成果の出ないエンジニアと雑談をすると無理をしたくない理由がそこそこ出てくる。要望があれば次の機会に。