マネージャは育てたい

子どもを持つとつくづく思うことに、思ったように育たないし、関心を持って欲しいことに関心を示さず、全く違うことに関心を持つ。専攻は予想もしない進路を選び、勝手に育っていく。

子どもに比べたら、エンジニアは成人した人であり、独立した生活を営んでいる。個は確立しており、周囲からあれこれ期待しても、個人の判断で考え、行動する。マネージャは育てられない。勝手に育つのである。ただし、マネージャにしかできないことはたくさんある。

  • 症状
    マネージャの目線で見たとき、エンジニアのキャリアに対する行動が次のように感じたら、マネージャは要注意である。
    ・エンジニアが率先してキャリア開発に取り組まない
    ・エンジニアがキャリア開発をマネージャに依存している
    ・エンジニアの成長が遅い
  • 概念
    子どもでもペットでも育てたことがあれば感覚的に理解できると思うが、考える能力を持った個体は外部から期待しても、期待どおりに行動をしないし、期待する結果を得ることはできない。独立した個体に対して、コントロールできることとコントロールできないことを知る。
  • 問題
    ・マネージャはマネージャの都合(組織のビジネス目標、KPIの達成、マネージャ自身の評価)により、エンジニアに対してキャリアでの成長を期待する
    ・マネージャ自身のキャリア経験を基準に、先入観を持ってエンジニアのキャリアを見る
    ・マネージャ自身が経験していないキャリアに対して、難易度を客観的な物差しで計測することをせずに雰囲気で判断する
    他者は、自分と違う独立した存在であり、コントロールできないことを基礎知識として理解していない。というより、エンジニアのキャリアを考えるとき、成長してできることをイメージするのではなく、成長のために何もしなかったエンジニアへ不満をぶつけてしまう。
  • 解決
    マネージャは、エンジニアの成長の主体者はエンジニア本人にあり、コントロールできないことを理解する。コントロールできないモノに、興味を持つ対象、成長のスピード、成長へのアプローチ、魅力があると思うキャリアパスがある。

    あれこれと無理強いしてもエンジニア自身が関心を持ち続けないと成長に結びつかない。