冴えないキャリアの選び方

現実の話として自チームなり分掌する組織の10年程度の将来構想を持ち、語れるマネージャはどのくらいいるのだろうか(感覚でそれほどいるとは思えない)。ある意味でマネージャのビジネス上での野望がないと、エンジニアのキャリア開発は、エンジニアが意識するToBeを持てないから、エンジニアが独自で軸を持たざるを得ない。でも、マネージャは軸を持っていないから、その時々の外部のステークホルダにより言うことがぶれ、結果的にエンジニアのキャリアはその度に振り回される。

  • 症状
    マネージャ自身の実現したいことを尋ねても、曖昧でも説明がなかった場合は、エンジニアには腰を落ち着けてキャリア開発ができる場ではないと警戒した方が良い。
    ・マネージャが組織の将来像を持っていない、語れない
    ・マネージャが組織(チーム)のToBeを語らない
    ・上から落ちてくる仕事ばかりしている
  • 概念
    マネージャになったときから、分掌するビジネスの領域の将来像を描き、それを実現する者でなければならない。描く将来に必要な組織、チームの体制表を構想し、それに必要なエンジニアのキャリアを育む。エンジニアのキャリア開発では、技術よりロールにフォーカスする。なぜなら、技術はビジネスを実現する手段だからである。一方、ロールは体制上の役割であり、役割は組織の価値観を組織に映した者であるから、組織の文化が維持される限り変わらないためである。こうした体制の構想は、そのまま組織の役割に分解される。それがエンジニアのキャリア開発と被り、影響が生じやすい。そのため、エンジニアはキャリア開発を立てるとき、マネージャや組織の将来構想と照らして考える必要が出てくる。
  • 問題
    ・業務が目の前の仕事ばかりで将来の取り組みをしていない
    ・業務配分が固定化している
    現業の生産性を変えるための新しい取り組みをしない
    意識しなければ、業務の時間は価値を新しく産まない仕事で溢れかえる。そうした環境下ではキャリアを形成するための新しい取り組み、技術のブランシュアップなどにリソースを回せない。将来構想やToBeモデルや野望と言う未開の地へ足を踏み出すためにはそっちに手をかけられるほどのリソースが必要で、そうした体制を組むのもマネージャの仕事である。マネージャがそうしたものを持っていないとしたら、エンジニアがいくらキャリアを開発しようとしても、現業での技術、ロールで頭打ちになる。
  • 解決
    エンジニアの立場は、現業を仕事として割ってやるとしても、現業の技術、ロールがキャリア形成のキャップ(制限)となることを知った上で業務を行うべきである。ウルトラは、そのマネージャ挿げ替えて自分がマネージャになる方法もあるが、マネージャの入れ替えば(不祥事かマネージャ自身が望まないマネージャ業をやっているでもなければ)そう簡単ではないので別なことを考えた方が良い。
    現業に共感できていればあるていどは継続していても良いだろうが、いつまでそれを続けているかを考えいないと、キャリアの選択肢がなくなってから、部のわるい選択肢しか残っていないかもしれないことに留意しておくこと。
    あれこれ