初めてやる業務じゃなきゃ、タスク管理はいらない

このエントリに結論めいたことはありません(いつもと変わりはない)。

とあるプロジェクトのスライドを見つつ、疑問に思ったことがいくつかあるので備忘がわりに。

定型的な業務はプロジェクトとは呼ばない。プロジェクトは活動に目的と期限をもった活動である。定型的な業務は繰り返し行うし、その業務が廃止されるまで継続される。端的に言えば、期限のあるなし、繰り返すか一度切りでおしまいかの違いで判別できる。

定常業務は繰り返し行う業務であるから、習得の機会が与えられ、習得したことが確認されれば、一定の作業品質で期待する結果を得られる。一方、プロジェクトは、一度きりの業務である。この点において、プロジェクトの業務は特殊性があることは理解できるだろう。

ところで、定常業務の場合は、タスク管理はそうそうしない。業務量の多いときは、業務の締め日までに終わられるように業務の労働力(時間やそれこそ人)を確保して締め切りに合わせる。例えば年末調整時期に派遣さんなどの事務処理の助っ人を入れて定常業務と年次の業務(年次でも繰り返しの業務)を乗り切る体制をとる。

システム開発のタスク管理は、実質予実のトレースである。タスクの依存関係があるため、というよりは、スケジュールをオーバーランしないことを目的(オーバーランするとペナルティがあったりするため納期厳守するため)に行なっているが、実は、初めての業務であるから予実のズレが出るのは前提としていて、その被害が大きくならないようにモニタリングしている。

いやそんなことはないと思っても、全く同じシステム開発のプロジェクトはあり得ない。ヒトモノカネスケジュールのどれか一つは必ず違う。プロジェクトのでのタスク管理は、当たり前の業務を当たり前にやるのではなくて、初めての業務だから上手くいかないことを前提にしていて、それをモニタリングすることでブレ幅が大きくならないように制御するために行なっている。

慣れていると、つい、できて当たり前だと思ってタスクを見ているが、よくよく考えるとそうでないことがわかる(自分の理解では)。

もちろんプロジェクトの進捗でズレが出たら対策をするが、それは、ぶれる前提があるから、そういった仕組みにしていると考えた方が自然だ。プロジェクトでも業務を定常業務のように繰り返しできるレベルになるなら、タスク管理などする必要性がないのだから。

 

 

SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる

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