エンジニアの自主性の引き出し方は100年前から間違っているようだ

マネージャから見れば、エンジニアは働き手である。あれこれとマイクロマネジメントするより、自主性を持って働いて欲しいと考えている。なにせ、自主性を持って働くエンジニアはパフォーマンスが期待できるし、実際、成果をあげることを経験的に知っている。

どうやってエンジニアの自主性を引き出せばい良いのか。

どんな施策をやっても、笛吹けども踊らずな現場が多いのではないだろうか。

育成にリソースを割き、目標を定量化し、大きな目標から小さい、でもストレッチ感のある目標を短い四半期のサイクルでの設定を試みるが、いつの間にか、ストレッチ出会ったはずが、やらなければならない、達成することが当然のような、ストレスを感じるおかしなことになっているのではないだろうか。

 

自主性を引き出したいなら、その対策はすでに100年も前の本に書かれている。とても簡単なことに思える。

本には次のように書かれている。

❶早めの昇進あるいは昇級への希望を持たせる

❷良い仕事をスピーディにこなした場合は、出来高を引き上げたり、何らかの上乗せ賃金やボーナスを支給したりする。

❸実働時間を短縮する。

❹他社よりも恵まれた労働条件や労働環境を用意する。

引用 フレデリック W.テイラー|新訳|科学的管理法

 

現代でも、働き手(であるエンジニア)が自主性を発揮して仕事に取り組むように仕向けている。実際、自主性を引き出そうと、目標を設定してその目標を達成するように取り組む制度を作っているが、やらされ感が強い(ように見える)。

ゲーム感覚を持って取り組めるならば、ゲームの作業と看做してやってくれるエンジニアもいるし、もともとやることをやるだけだと思っている一部のエンジニアは放っておいても結果を出してくれる。

しかし、8割くらいのエンジニアは期待する目標も設定できないし、6割くらいのエンジニアの成果に自主性は感じられない(タスクとして落ちてくるとやってくれる)。

つまり、働き手による自主性を引き出すという前提が成立していない。

 

このことにIT会社の、目標管理制度を取り入れている人事部は気づいているのだろうか。気づいた上で、現行の制度をやっているのだとしたら、一掃のこと、目標管理制度自体をやめた方がマネージャもエンジニアにとっても、良いこと尽くめなのではないか。 

ちなみに、いまどきの組織ならこんな対応をしているのではないか。

❶給与テーブルを(組織内で)公開し、評価も納得するまで話し合う

❷特別褒賞など

❸働き方の多様化と時短

❹各種支援制度、オフィス、PCなどのファシリティの改善

 まあ、でもこれだけでは足らないのであるが、それでも、これのどれ1つもできていない組織でエンジニアが足らないと言っているケースを耳にすると、学習する機会はどこでもあるものだと思う。

 

 

|新訳|科学的管理法

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