エンジニアと権力

エンジニアに必要なのは権力である。権力とは職務上の裁量であり、職位を上げれば裁量の幅は増える。

あの開発手法をやりたい、この手法をやりたいと言っても聞いてもらえない。

OK。だったら、少し遠回りかもしれないが権力を手に入れよう。そのための活動に励もう。それが嫌なら自分でそのやりたい開発手法を取り入れている他社を探し、移ればいい。だってやりたいのだろう、であれば、そのどちらかを選ぶ他ないだろう。選ばないのだとすれば、その程度の思いでしかないということだ。

もう一つ、やり方はある。自分のタスクだけその手法を適用すればいい。もちろん、見かけ上は他のメンバと同じようにインタフェースを維持しなければならない。二重管理になるかもしれないがやりたいことのためならやれるだろう。それも嫌だというなら、ますます持ってその程度の思いで騒ぐな、と言いたい。

どのアプローチにするかにしても、共通しているのは覚悟と策を自分の頭で考え、結果に責任を持つということだ。

権力とは、組織上の制度に紐づくものだから、権力を手に入れるためには組織の構造を知らなければならないし、それは誰かが教えてくれるものではない。そうしたことも自分の実現したいことに対する思いと秤にかけて、決めれば良い。

どうなるか誰にもわからないものに、自分で責任を持つ意思決定するだけの話だ。

こんな風に書くと、萎えてしまったり、腹がたつかもしれないが、その気持ちの矛先は、自分であることに気づかなければならない。何もできていない自分を無闇にせめているだけだ。

それはとても無駄なことだ。凹んでいる時間があるなら少しだけ、調べられる範囲で調べれば良い。そこそこの組織であれば、職務や組織の決まりごとが共有されているはずだ。

決まりごとと実際の組織をみて、どういう構造になっているか、人事報を見て、どのくらいのサイクルで世代交代をしているか。そうしたことも知ることでどのようなアプローチを選ぶか補助情報となる。

エンジニアが成果の出やすいやり方を選ぶことが望ましい。それには権力が少なからず必要である。