アップル信者になりそうで、なれない...

ジョブズはなぜ天才集団を作れたか (講談社BIZ)
たしか、マッキントッシュを見たのは、高校生のときにNHKの番組で観たのが最初だった。多分世界最速のスーパーコンピュータのプロジェクトにアメリカからきた技術者がディパックに詰め込んでいて、日本の職場に着くなりおもむろに引っ張り出して作業をはじめたのが印象に残っている。
そのあとのアップルの記憶は、経営が思わしくなくてマイクロソフトに資金提供を受けたニュースが記憶にある。あとは、なんだっけか。入社2-3年にアップルをつかっていた人がいたのも記憶がある。
高校生のころから記憶を紐解くと、うん十年の間に直接使った事のないアップルがちらほらしているのが面白い。

この本をとおして感じたことは、事業を引っ張っていくことはやさしくないということ。いくら情熱があっても、財務的に窮すれば立ち回れないし、財務的に磐石になってもユーザの支持がなければ、事業にはならない。
アップルでこの体たらくなのに、足元に視線を落とすと、日々のビジネスをまわしたり、メンバ育成を図ったり右往左往して入る自分のもがき具合は、同じようなそうでないような何ともいえない気持ちになってしまう。

事業をして入る人にとっては、人の配置と事業を引っ張る信念を継続して持ち続ける事がどれほど難しいか、思わず同意してしまうなんともやるせない本なのである。