エンジニアなら勉強会を主宰しなさい


思ったより大したことない
この歳になって組織内の勉強会を主宰するなんて、今年の春では思いもよらないことだった。人生のイベントとは大げさ過ぎるかもしれないが、組織横断的なコミュニティを「うちの部署でやることになったからやってよ」、とお鉢が回ってきて、そのときつい思ってしまったんだな。これが間違いの第一歩だったのかもしれない。

#組織横断的なコミュニティ?なんか面白そうだな。
#前にも組織横断タスクやったとき面白かったしな。普段、面識ない人と話すことができるし。
#専門領域だしな。
で、つい、後先考えずに、

「いいですよ。」、と。

丁度、外部のコミュニティに参加し始めていたころだったので、とても良いタイミングではあった。一番最初の外部コミュニティ活動は、今参加しているコミュニティとは違うけれど、2000年初めに1年間委員をしていたことがあった。その活動は定量的なアウトプットが決まっていたのとメンバの出席の問題があって結構大変だった。初めての外部コミュニティ活動でもあったから気合の入り方も違ったのだけれど。それに比べて組織内は、“仕事”だけれど、定量的なアウトプットを定めず、定性的な目標をゴールとすることを誘導できたからとっても気楽にスタートできた。

一応、“仕事”だからね、お気楽とは言っても、組織間の体面というものがあるものだから、きちんとすることはします。スポンサーに花を持たせたり、スライドは体裁よく作ったり。事前準備も念入りにするわけです。そのあたりを簡単に整理すると、

  • 主旨を決める
  • キーコンテンツを決める
  • コンテンツのイメージを作る
  • コンテンツイメージを運営スタッフと共有する
  • コンテントごとのイメージを展開する
  • シナリオを作る
  • 日時を決める
  • 場所を押さえる
  • スライドを作る
  • 広報する
  • 運営スタッフとシナリオを使ってリハーサルしてフィードバックをもらう
  • 事前準備の手配を掛ける
  • 当日の準備をする
  • 開催する
  • 参加者からフィードバックをもらう
  • 運営スタッフとふりかえりをする

このアクテビティ、何かと同じじゃない?そう、アクテビティは違えど、プロジェクトの上流工程の要件を整理するプロシージャと同じなんだね。手続きとファシリテーションのコンピテンシだけでできてしまう。プログラムを書くエンジニアなら、仕様を導き出すこととアルゴリズムを使えたら、極論言うと言語は問わず書けるわけだ。必要なコンピテンシを持っているし、アクテビティは同じなのだから。つまり、やり方は別の体験で既に知っている、ということ。

話を戻すとね、何かすごいことしているわけではない。全く。
ひとつ、手間が掛かったことは、組織の構成上、エグゼクティブとの距離が近かったので、共感してもらい、同意してもらうこと。人も社会人を十年も過ぎれば、固定観念を持っているものなので、自分の持っている成功体験で進めて欲しいという思いは持っているのだから、それを否定せずに別案に差し替えるという場面にあなたもなったら、難易度は少し高く感じるかもしれないが気のせいだ。



仲間を集め開催しよう
先の組織横断的なコミュニティを無事に終えたあとに、その出席者からのフィードバックの中に、
「あっ、それやりましょう!」
的な共感するフィードバックがあって、すぐに実行することにした。少なくともフィードバックをくれた人は、こちらの賛同者なわけです。あくまでも組織横断的なコミュニティの中のスピンアウト的なサブセットの活動にしようと思ったので、強力なフォロワーが必要なので。ワタシは中心で“言いだしっぺ”でよいが、実務はフォロワーに動いてもらう方が傍目からは、良いことが多い。フォロワーが動き始めると、フォロワーで繋がる人が自分から入ってくるようになるのを見ていると人は不思議なものだなぁと感心するくらい予想外に集うのだ。

このサブセット的な活動が勉強会で、今流行りの読書会なのです。読書会の運営方法はいくつかやり方があるようだけれど、ごく一般的な輪読で運営するようにした。その読書会の子細は割愛するけれど、勉強会の運営の骨子は先のコミュニティの準備をテラーリングしてより簡単にしたものだ。だから、とってもとっつきやすい。

  • 日時を決める
  • 場所を押さえる
  • 広報する
  • 勉強会のやり方を調べ、決める
  • スライドを作る
  • 開催する
  • フィードバックをもらう
  • ふりかえりをする


やはり、組織横断的なコミュニティとは違い、個人主宰のアクテビティなので人的リソースに限度があるからシンプルなアクテビティに成らざる得ないし、それで十分だ。極端なことを言えば、日時を決め、場所を押さえられたらあとはやってしまえ、というアクティビティでいいくらい。それほど、簡単なのだ。



体験することは何よりも代えがたい貴重な財産になる
勉強会は、「感じたこと、思ったこと、共感したこと、わからないこと」を同じ出席者同士で共有するだけの場だ。同じテーマで違う人が何を思ったのかだけでも知ることは、視点の違う人の感性に触れることができるのでとても刺激的なのだ。出席者としてもこれだけエキサイティングな経験を得ることができるのに、勉強会を主宰するということは、さらにその主催者のエクスペリエンスの価値を押し上げ、コンピテンシの伸長に寄与することだろう。それは、経験する歳に全く関係がなく、逆に、年齢が高ければ高いほど得られる気づきは多いかもしれない。




  • 道具室(アプリとか)

毎晩少しづつ読んでる。

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~

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  • 音楽室(PCからリンクをクリックするとき、PCにiTunesが入っているとアプリケーションが起動します)
  • 視聴覚室
  • 調達室