チームに新しいプロセスを持ち込むときのちょっとした工夫


業務は変わる、業務は変える
仕事をしていたら、所謂、定型作業と否定型作業に分けられる。定型作業は、その組織の規定で定められた業務から決まった段取りでしかできない作業もあるし、作業の段取りは運用で裁量を持たせるものもある。運用する側に裁量を持たされる作業については、アウトプットさえガイドされたとおりに仕上げられていれば、自由度は高い。自由度が高いということは、運用する側の判断により作業の段取りがいかようにもできるということである。
人は怠け者なので、一度決めた作業の段取りに後から見れば無理無駄があっても中々変えたがらないものだ。それをいかに無駄を見つけ、それを廃し、余裕を作るかが組織の柔軟度を作ることに結びつく。マネージャは、新規に設立されたチームに配属されるより、既存のチームに配属されることが多いから、先のように第三者の視点でチームが運用している定型作業で無理無駄を見つけやすく、そして、変えられる唯一の存在でもある。


新しいプロセスを見つける
例えば、定型作業に無理無駄を見つけられたとき、それを部分的に変えるか、若しくはまったく新しいやり方に変えることができる。まったく新しいやり方に変えるときの元ネタは、普通にあるものを適用することができるが、それはその発想がないと気がつきにくいものだ。例えば、定型作業をする上で、メンバ間の情報連携が必要だが実際はコミュニケーションが上手く取れていない場合、生産現場などでやる朝会やアジャイルスクラムで取り入れられている"デイリースクラム"を取り入れることで、昨日の実績、今日の予定、困っていることをメンバ全員で、且つ、短時間で解決する方法が取れる。これは、まったく関係なさそうなところに、自分が所属する組織の無理無駄を変える新しいプロセスが普通にあることを意味している。その気付きを得るためには普段から楽しそうなものに関心を少なくとも寄せておく必要がある。


新しいプロセスを取り込むときのちょっとした工夫
大概、業務の運用が回っているとき、その業務を変えることには抵抗があるものだ。カイゼンの躾がなければ、変えようと思わない。変える理由がないし、変えようとする気付きのためのキッカケがないから。中に居れば井の中の蛙と同じで、良い面も改善したほうが良いことも外の空気、いや、蛙なら水を知っている人のほうが差異を判別しやすい。
すべてのこと、1から10まで変える必要性はないだろうが、変えると言うこと、変化することが特段不可思議なことではないとをチームの中の文化として持っておきたい。変わらないことのより、変わることに抵抗を持たないことのほうが断然良い。
新しいプロセスを持ち込むときに、ちょっと工夫した方が良いことは、外から持ってくる新しいプロセスの名前にこだわらず、具体的な振る舞いとして持ち込むほうが具体的な作業をイメージしやすく、言葉に対する抵抗をもたれない。朝会やデイリースクラムという言葉を使わなくても、5分ミーティングとか日次ミーティングなど平易な言葉で表現して、実際の中身は"実はやりたいことを埋め込んでしまう"ことで実を取ることを目指したい。名をとる必要はない。実を取り、新しいプロセスを導入し、変えていき、定着したら「実は他ではこういった呼び方をする」と言えばよいし、導入の効果がなければ、また変えていけばよいのだから。