話の前提があるなら、そこから話さないと、そこの位置から合わせないといけなくなるんだよ

噛み合わないミーティング
エンジニアが顧客と要件定義のミーティングをしていることをイメージしてみよう。

顧客は、実現したいビジネス要件を知っている。
エンジニアは、顧客から聞いている範囲でシステム化したい要件を知っていて、それを実現する手段も想像がついている。

大体、エンジニアから顧客に対して、こう、話を切り出すだろう。

「お伺いしている要件は、これこれです。それを実現すると(図を示しながら)このようなシステムになります。」
「具体的には...」

そこには、明示的に伝えられることもあるし、知っている側は“誰でも知っている”と思い込み、暗黙として伝えることを省くことも含めて会話が成立している。ミーティングといいつつ、意思疎通が成立していない状況といってよいだろう。もちろん、話の順序があって、本来話したいことと順番が人によって前後するかもしれないが、それはタイミングの問題であって、必ず話されるということではない。

人が話すとき、それが雑談でもビジネスの話でも話す側は話したいことの背景を知っているが、聞いて欲しい相手がその背景を知っているとは限らない。どちらかと言えば、知らないことの方が多いのではないか。
そのようなことは、普段から経験しているのに意外と気付かないものだ。


誰が気付くべきか
聞き手に話を聞いて欲しいのは話す側であるから、これから話す内容にについて背景を知る必要があるならそれは話す側が話さないと、聞いて欲しい内容にとたどり着くことが出来ない。であれば、背景なり経緯なりを話さなければならないのは話してである。
得てして、専門家であるエンジニアは、自分が話すことについて“誰でも知っている”というレベルから話が始まることが多い。そこには、相手に舞台まで上がることを無意識に求めている。
だが、それはおかしい。プロジェクトが唯一無二であるのなら、相手は都度レベルが変わるのであって、相手のレベルに合わせられるのは話してであるエンジニアなのである。


位置合わせ
たとえ、何度も会話にあがっていることであっても、その場面場面で必要なことはせざる得ない。例えば、あるミーティングの参加者は経緯を含め知っているので背景について説明が扶養であったとしても、そこに上位のマネージャが突然参加したのであれば、背景についてアブストラクトレベルで話す必要があるか、そのばで確認を取るような“位置合わせ”が必要なのである。
それを怠るから、話を進めたい結果までにたどり着くまでに時間の大半を使いきってしまったり、座礁してしまうのである。

「話の前提があるなら、そこから話さないと、そこの位置から合わせないといけなくなるんだよ。」

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