運動会の親子レクレーションの結果で思うアジャイルの有効性
子供の目標はプロダクトバックログ
幼稚園は毎学年、小学校だと6年生に
「どの家庭もふれ愛が少ないんでしょう?」
と幼稚園や小学校が気を回してくれて、親子で一緒に競技する種目がある。
そう、最近小学校で運動会での話だ。
その親子レクレーションは毎年見ているから、何をすればいいのかわかっていた。見て知っていたことと違うのは競技するこどもだけ。
そのいつも見ていたことと、一つ違いがあってそれは、、“こどもに協議をがんばったらTCGのスリーブを買いたい”という目標がだった。
そう考えていたことは本人からきちんと会話していなかったんだな。
#あー、コレ失敗。
ワイフ伝いになんとなく聞いていたのが、当の競技だったか徒競走だったかそれも曖昧のままだった。まぁ、曖昧だとは認識していたけれど、どうせ買うんだからいいかな、思っていたんだな。
アジャイルに当てはめると、運動会の主役はこどもなわけで、プロダクトオーナはこどもになる。プロダクトオーナの子どもは、今回の運動会では競技で成果を出して手に入れたいという目標があった。ううん、そう言うことになる。
お父さんは開発チームだった
子どもがプロダクトオーナだったらそれを実現する開発チームはお父さんになる。プロダクトオーナが実現したい目標は、プロダクトバックログだ。それをストーリポイントで規模見積もりして、スケジュールにはめて、開発する。何を実現するか、どのくらいかかるかは知っていた。子どもは100mの障害物競走後に家族と20m走るのだ。
だから、下表1のとおりだろう、と思っていて、特に子どもとコミュニケーションを取らなかった。
表1 開発チームが思っていたこと
プロダクトバックログ | 速く走る |
ストーリポイント | 20m(一緒に走る) |
スプリントバックログ | 速く走る |
Doneの定義 | 完走 |
表2 プロダクトオーナが思っていたこと
プロダクトバックログ | TCGのスリーブ獲得 |
ストーリポイント | 20m(一緒に走る) |
スプリントバックログ | TCGのスリーブ獲得 |
Doneの定義 | 入賞 |
ストーリポイント以外、間違っていたんだな。
正解は、下表のとおりでした。
表3 プロダクトオーナと開発チームが実現したかったこと
プロダクトバックログ | TCGのスリーブ獲得 |
ストーリポイント | 20m(一緒に走る) |
スプリントバックログ | TCGのスリーブ獲得 |
タスク | 開発チームとプロダクトオーナの走り方の意識合わせ(どう実現するかは開発チーム主体だから) |
タスク | 開発チームからプロダクトオーナに声をかけて走る(実現するのは開発チームだから) |
タスク | 子供のスピードに合わせる(スピードが合わないと転ぶから) |
Doneの定義 | 入賞 |
今思えば、お昼の時間に聞いておけばよかったんだなぁ。
気まずさはふりかえりで
結果はプロダクトオーナが実現したかったことにはならなかった。つまり失敗。競技なので誰かが失敗する。失敗の原因を言ってもプロダクトオーナが実現したかったことは、時間を巻き戻してもできない。反省をするのではなく、もし、次があったときに同じことを繰り返さないように“前を向いた”ふりかえりをしたい。
最近、反省ではなく、ふりかえりが好きなのはそういった理由だからだ。
ゴールを駆けた後のプロダクトオーナの子どもの顔はションボリしていた。「残念だったね。」と声をかけ、グーを出してみたけれど、差し出されたグーに力はなかったようで届かなかった。
「失敗しちゃったね。今度は声を掛けて走ろう。次は走る前にそれを話そう。」
「わかった。次があるかわからないけど。」
しっかりしてた
夜になって、まじまじと顔を見たら、へこんでいなかった。当然とした顔をして、
「TCGのスリーブ買うから!」
「(え?)」
気まずく思っていたパパの気持ちはどこへやら。