思考停止させないために最後まで考える


教えてくれとキミは言う
仕事上、いろいろな開発メンバや営業さん達とミーティングをすることが多いし、レビューで一日が終わってしまうことも少なくない。気付いたら窓の外は真っ暗。あれれ???
#まぁ、夜が早い時期時期ではありますが。

立場上、レビューアなんだけれど、例えば提案書のレビューなら、お作法としての資料チェックとその提案書が価値があるものにするための助言的なものと2つの視点を持つように心掛けている。

それは、レビューアだからと言って批評家をするのではなくて、一緒に作り上げる協働することも意識していると言うことになる。レビューイだっていつも厳しい指摘ばかりだと提案することが嫌になっちゃうでしょ。提案することが出来るスキルって貴重なのです。訓練できるスキル領域もあるけれど、天賦の才能によるところも大きいから。

で、レビューでお作法的な指摘は、具体的に、アレ・コレ・ソレをこう直して、と伝えれば大体テンプレもリファーできるナレッジもあるので簡単に終わるのだけれど、そうでないものもある。

それは、“価値観”の領域に入るような“ニュアンス”で感じるのようなものが多い。感覚に触れる/触れないの世界観なのでどうしても、提案先によって書き手が違うから、経験則の積み重ねが効かない。いや、知が積み重なるのはレビューアだ。
#ああオレだった。

で、一方的に知が集積するレビューアの世界観を伝えるも受け止める相手の顔を見ながら伝えるのだけれど、受け止めるレビューイも様々だから、その反応も多種多様だ。でね、こんな遣り取りするのね。

「これ、なんでこんな工程名なの?」
「どうしたら良いですか?」


おいおい、キミ、ベテランじゃん。なんで答えを聞くのかなー。自分で考えて、自分の言葉で書かないと提案するときに困るの自分なのに...。

指摘すると直ぐに教えてっていうのは、分からないから聞いているのか、それとも、こっちの言うことにあわせようとしているのか、どっちなんだろう。


まるで思考停止しているのではないか
ワタシと違って周りにいる人たちは、頭の良い人ばかりだ。とても、いま就活したら今の会社に採用されないな、と思うくらいなわけで。そんな人たちがね、答えを聞く。

どう考えてもオカシイ。安易に答えを聞くのは、もし組織侵食しているとしたら、とっても拙い兆候だと思うんだ。そういった人でもいられるのだから。いや、中堅以下くらいのエンジニアならザラにいるかもしれないけれど、当のエンジニアは、提案するベテランだからね。

一番拙いだろうと思うのは、安易に聞くことで楽をしているのは、“思考停止”しているのではないか、ということ。何が拙いかというと、

「楽をしようとしているのが“リスク”に対して楽をしようとしているのではないか」


ということ。

システムエンジニアリングは、形のないものをあやふやで不確定な顧客要件から実現仕様を作り上げ、動くものにしていくから、リスクの上で活動するようなものだ。だからこそ、リスクを識別し、必要なものは対策をするのであって、そこから目を逸らし、思考を止めてしまうと何が起きるかは誰でも想像つくことだし。


思考停止に陥らないためにリスクを取る
提案して案件として成立させるために提案するのだから、提案はタイセツ。だからこそ、

「何をどうするのか、自分で最後まで考る。」


必要があるわけで。提案は、提案する人たちが顧客の前でアレコレしますよとお約束するわけです。だから、自分で考えて、自分の言葉で話すために、頭を使って思考停止させないことを意識しないと、リスクが発現したときに思考停止しているから、身動き取れなくなってしまう。思考停止させずに、自分が話す言葉を自分で考える。

当のエンジニアは、経験の少ない若手ではないからね。特にそう思う。提案書の言葉を出し惜しみしているのではなくて、当のエンジニアは自分が届けようとする価値を思うように提案して欲しいと思うから。