何を学んだかを問うことの意味

組織の年度がカレンダどおりなら、そろそろ業績評価の時期かもしれません。4月〜3月の年度の組織でも、まぁ、歳を改めて一年の計を立てるなら、この時期に今年1年を棚卸しすることは良い機会になるでしょう。

自分のしてきた振る舞いを見返しもせず、ただただ、過ごすのでは自分の目標と向き合うことがないのだから、成長は感じられないでしょう。

試行錯誤や四苦八苦して乗り越えてきたこの1年を、無駄にしないで来年の踏み台にするためにも、やりましょう。



“反省”ではなく“ふりかえり”
この1年の自分の振る舞いを省みるなら、“反省”ではなく、“ふりかえり”で進めます。

これまでいろいろなメンバとミーティングをするときの経験から感じることは、話し手が“反省”の体で話をはじめると、話し手自ら反省モードになってしまい、自己批判を始めてしまうというものです。

辞書に書かれているとおり、振る舞いの良し悪しを考え、改めるものは改めよう、とするならばそれでも良いのですが、どうもそうならない。これは、話し手が話し手自身を貶めて、良し悪しの悪いところだけにフォーカスすることで自己満足してしまっているように見えなくもありません。

自省し、自分が悪かったと露呈することで自分の姿に満足してしまうことは、喉元過ぎればなんとやら、と同じで、折角省みた意味がなくなってしまいます。そんな反省をするなら、ふりかえりをして次に繋げた方が何倍もマシです。

“ふりかえり”は、ケプトでやるのがいいです。Keep/Problem/Tryの頭を取ってケプト。ケプトツーもあるようですが、初めてやるならケプトで十分でしょう。

今年の“ふりかえり”でケプトを使うなら、

Keepは、今年やってきて良かったこと、続けたいこと
Problemは、今年やって課題になったこと、止めた方が良いこと
Tryは、来年挑戦したいこと


のようになるでしょう。
どうでしょう、今年を省みることは“反省”も“ふりかえり”も同じですが、“ふりかえり”の方が来年も頑張ろう!って気になりません?なるでしょう。“反省”だと姿勢だって、頭を下げて暗い雰囲気になって仕舞いがちですが、“ふりかえり”なら顔が上がって少しでも希望が出てきそうに感じられます。

なんか精神論ポイですが、顔を上げるや、明るい言葉遣いという、目に見えて分かり易いことが意外と効果があるのです。



何を学んだかを問うことの意味
“ふりかえり”で今年1年何を学んだか、を自分に問うことは、今年の年初に何を学ぼうとしたかの裏返しです。年初に自分が何を考え、何を元に判断したか、それがどういった経緯を踏んでどのような結果になったのか、を。

自分自身が目指す未来の自分に近づくために、今年1年でどこまで近づけたかを“ふりかえり”で明らかにして、次のスッテプに進むのか、それとも方向性を修正して、改めてステップを踏むのか。そういったことを考えること自体に意味があるものです。

自分の振る舞いを見返すことは、ときに恥ずかしさと痛みを伴うものです。あの失敗を思い出し、顔を真っ赤にするかもしれません。でも、次に同じ状況になったら顔を赤らめるようなことを繰り返さないためにも、自分の考えの軸を移すことで別のアプローチを試みることに繋げようと強く意識する行動に価値があるのです。