継続することこそ価値を生み出すたった一つの行動ではないか


2012年は目を見張るような勉強会ブームの1年ではなかったのではないだろうか、と感心するくらい勉強会がそれこそ毎晩、毎週末に開かれていました。
#ほんとビックリするくらい。

ワタシの組織の中でもある意味肝いりで、そう、経営課題の一つの人材育成の解決手段としてコミュニティを立ち上げ、立ち上げることろから片棒を担がされているんですが、よそ様はよそ様で、同じように経営課題の一つの人材育成の一つとして活動に取り組まれているということも耳に入ってきています。

組織の活動として取り組むのですが、本来の事業ではないため参加者に強制してまでは活動をさせるということはあまりないようです。そのため、月例会のようなイベントへの参加者が日に日に減ったり、いつも同じ少数の参加者ばかりとなったりすることもままあるようです。

これは、組織がひとを動かすとき、参加を促されるエンジニアは半強制的に参加することを指示されるので、その指示が強ければ参加人数が増え、業務多忙などにより指示がなければ極端に少なくなるなど、本来の業務に左右される傾向が強いことを示しています。

しゃがべん(社外勉強会)のように、自らの興味関心で能動的に参加するにしても、そのコミットメントの強弱によって割り込みの業務があればそれを調整することなく業務を優先するという一見当たり前の判断で出欠率が左右され、主催者の気を揉むことこの上ありません。

組織の中のコミュニティやしゃなべん(社内勉強会)はその傾向が強く、「業務が!」という免罪符が発行されやすい環境において、主宰者はその参加者の増減により気を揉みする必要のない一喜一憂をしていることを参加者は知る由もありません。


コミュニティや勉強会の主宰者の切実な願い
組織でコミュニティやしゃなべんをするとき、“組織”での活動であるが故に出席数が一つのバロメータとして見られてしまいます。本来、そのコミュニティやしゃなべんの設立目的が経営課題の一つの人材育成であるとき、それはオカシイのであるのですが。
なぜなら、経営課題なのであれば、本来の業務である顧客プロジェクトの計画どおりの遂行はもちろんですが、人材育成も経営課題なのであれば、優先順位をつけて然るべき対象者への動機づけと積極的な参加をできる環境つくりをマネジメントが働きかけなければちゃんちゃらオカシイのです。

結局、現場の業務を優先して、−いや、優先も何も、現場の業務しか見ていない−、いるのである結果、人材育成を後回し、つまり、将来の負債として抱えるということを理解しないでいることをマネジメントは改めて認識しておかなければならないと思うのです。

“何かを後回しにしたコトが、それ自体時間のかかるコトであればあるこそ、将来の負債は大きくなる”


バロメータとしての参加者数が定量的数値である限り、参加者数の増減で主宰者は一喜一憂することからは逃れられず、テコ入れ、アニメであれば水着回はいつやるのだと無責任に求められるものです。

賢い主宰者達は、コミュニティ設立のときの立ち上げ目的や推進にあたって、「定量的目標を設けない」と書き記し、それを宣言します。これで、誰かが出欠数の実績を語り始めても、「それは目標ではない。」「しかし、参加者のニーズと合っていないならテーマを修正していく。」と言えるので主宰者はそのコミュニティや勉強会の運営に専念できます。

でも、それをしていても、やっぱり主宰者はある程度の参加はして欲しいのはまた事実です。


試される主宰者
例え賢く設立目標を立てていたとしても、参加者の数は気になるものです。人であるが故の承認要求に近いものでしょう。そのコミュニティや勉強会の主宰者である限りその術から逃れることはできないでしょう。

コミュニティや勉強会が座学、ダイアログ、ワークショップ、Lightning Talks、又は、それらの組み合わせでも、その仕組みより内容であるコンテンツがいかに参加するエンジニアを業務より高い関心と興味を引くことができなければ、現状を打破することは難しいのも現実です。

だからこそ、例会のたびに主宰者は試させていると言わざる得ないのです。

成らばと、例会の都度にアンケートをとって少ない出席者から意向を聞いてもそれほど効果はないものです。なぜなら、その出席者は参加しているのだから。もし、アンケートを取りたいなら、出席しない人達に“何故出席しないのか?”をストレートに聞いた方が良いのです。

そして、コミュニティや勉強会の当初の目的に戻り、何を止め何を進めるのかをふりかえりするほかありません。


継続することこそ価値
多分、どのコミュニティや勉強会でも強制的参加の指示がなければ、ある程度の参加者数は多くならないのではないか、と思います。主宰者も頭の中では定量的な数値目標は置かないとしても、やはり気になるものです。
#気にするな、と言っても気になるのが人情なので。

気になるけれど、敢えて気にしない、と腹にすえることがそのコミュニティや勉強会を安定して運営することの大切な思考の一つです。数に気持ちを左右されないと思い、据え、コミュニティや勉強会を運行すること自体、大変なことですが、それでもやはりそれはグッとこらえなければなりません。
それでも定量的な数値目標を持たざる得ないのであれば、その出席数と言う定量的な数値目標を“継続回数”に置き換えることが発想の転換でもあり、より意味のある数値目標になるでしょう。

コンテンツは変わっていくものです。勉強会がある本の読書会なら別ですが、事業や社外でコミュニティや勉強会を主宰するに当たっては、組織内の研修と違い、誰もがやらなければならないことではない故、その存在価値を出席者にしてしまうと危うくなります。当初設立した目的を達することがしたいなら、その達したい目標とその目標を達するために必要な回数を見積もって、必要な回数+αを実行計画として織り込み、たとえ一人になっても継続することに新しい価値を見出すことができると思います。

まぁ、嫌がらせのようにいつも派手にやり続ければいいんだと思いますよ。そのうち、変わった子たちがファンになってくれますから。



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