ウォーターフォールとアジャイルの未来


PMIはウォーターフォールだけか
PMI (Project Management Institute)と言えば、WBS (Work Breakdown Structure)PMBOK (Project Management Body of Knowledge)の総本山でしてね。で、そのPMBOKウォーターフォールを適用しているITプロジェクトの半分以上が何等か失敗しているというから、矢面に立つ構造になっている。
なんでそうなる?


で、PMIはウォーターフォールだけなのか?と聞かれたらhttp://www.pmi.org/en/Certification/New-PMI-Agile-Certification.aspxっていう様に、agileにまで手広くやっていたようで。
#去年、トライアルやっていたようですね。


プロジェクトの現場で、ウォーターフォールでは変化する顧客の要求には対応することが難しくなってアジャイルを採用しはじめたムーブメントがPMIにも寄せたのだろうと思うのです。奇しくもアジャイルも海外で生まれた手法であるからこそ、PMIを動かすことができたのかも?なんて思ったりしますが。


その、ウォーターフォールの総本山であるPMIだって変化しているわけです。



PMPアジャイルに足を突っ込む理由
あちこちで書いてきたとおり、アジャイルを知ってアジャイルを始めたのではなくて、ウォーターフォールのプロジェクトを見ていたら、どうも進捗が怪しい雲行きなっているようだから、どうしたら期待するように事が運ぶかだけで物事を調べ、考えたのです。
アジャイルもいくつか手法があって、ここの記事では“アジャイルスクラム”と読んでください。


ウォーターフォールでプロジェクトが上手くいっていたなら、今ほど、アジャイルなプロジェクトのアプローチなんてしなかったのではないか、と思います。そう考えると、去年の始めくらいから、直接ビジネスであったこともない人たちと知り合いになろうと思ったりしなかっただろうし、勉強会に積極的に行こうなんて今ほど思わなかったのではないか、と思うのです。


それは、自分中でウォーターフォールでの計画駆動型のプロジェクトマネジメントの形は既に形作られていて(=守)、他の人のプラクティスを知ることで自分のプラクティスと比べ(=破)、自分流のプロジェクトマネジメントの形を作り上げられているから(=離)で、あとは、より楽に、よりリスクを予見することにシフトできているからです。


だから、自分にとっては、それまで、去年まで始めにことをうまく運べていないプロジェクトを助けることがなければ、アジャイルに関わることの必要性はなかったのです。


でも、それまで全くアジャイルに接していなかったの?と聞かれれば、実践する場はなかったので本を読むなど、ウォーターフォールのプロジェクトマネジメントを少しでも洗練するための良いとこ取りするための勉強としてのアプローチにすぎなかっただろうな、と思うのです。


だから、Scrum Alliance Regional Gathering Tokyo 2013でPMPはいるか?とJames O. Coplien (ジム・コプリエン)が会場で質問し、若干の手が上がったときに、「(会場に)無事に入れましたね?」的なことを言ったのは、ジョークだとしても、なんだかなーと感じたものです。
#でも、腹を立てたり気を悪くしたりしませんでしたよ、自分のプロジェクトマネジメントを洗練するという目的があるので。


ウォーターフォールアジャイルの未来
日本で、今のプロジェクトマネジメントのほとんどは、ウォーターフォールを採用した計画駆動型のプロジェクトマネジメントです。アジャイルはまだまだ少数派です。少数派だからこそ、どちらかと言うと、過激にウォーターフォールをdisるわ、煽るわしているのだと思っています。でも、その比率はあるところまで、−受け入れる顧客のパイまでは−、広がるでしょう。それが全体の2割なのか4割なのかはわかりませんけれど。


ある程度のところまでは、広がるけれど、金融の勘定系、公共それに防衛のような案件にはアジャイルは採用されず、引き続き、ウォーターフォールが採用されると思います。それ以外のところのスペースは、アジャイルでのプロジェクトマネジメントが採用される可能性があると思います。ただし、顧客がそれを望めば、です。


何れにしても、パイの比率は変わるだろし、現実問題としてウォーターフォールのプロジェクトマネジメントでは、上手く回らない現場が多いのなら、ソフトにアジャイルの一部を取り入れて、具体的には、デイリースクラム(=朝会)やカンバンなどを取り入れるなどウォーターフォールのプロジェクトだからこそ、変化していくことが必須なのではないか、と思います。


そう考えると、2割か4割かは、ウォーターフォールからアジャイルに思想の変革が必要になることは必須で、今の内から、アジャイルって何?を学び、準備しておいた方が良いでしょう。一つ気を付けたいことは、アジャイルに“かぶれ過ぎるな”、ということです。ウォーターフォールの計画駆動型のプロジェクトマネジメントがプロジェクトの成功を約束してくれないように、アジャイルだってプロジェクトの成功を約束してくれるものではありませんん。どちらにしても、プロジェクトマネジメントのフレームワークでしかなく、そのプロジェクトをどうやってマネジメントするか運営は人に掛かっているからです。