プロジェクトマネージャが数字を気にするならこの2つを気をつけよう


プロジェクトマネージャになると正にプロジェクトマネージメントというプロジェクトコントロールの仕事の中で数字を扱う仕事が出てくるものです。プロジェクトを預かるのですから、その仕事は仕方がないのですが、そうだとしても特に注意を払ったほうが良いものが2つあります。


プロジェクトマネージャだったのワタシと数字の関係
プロジェクトマネージャになると、そのプロジェクトのマネージャ様ですから、すべてに責任を負わなければなりません。お金の管理も、です。まぁ、実際にお金を出し入れするわけではないですが。


それで、プロジェクトマネージャとして関わる数字で気にしていたことは2つですね。それは、進捗の日付とプロジェクトコストです。


進捗の日付とは、WBSの予定の開始日と終了日と実績の開始日と終了日のことです。ウォーターフォールでのシステム開発を採用していましたから、当然、計画を立てて、実績を見ながら納期に合わせて残された日程を見直すことになります。


世の中のプロジェクトの6-7割が何かしら失敗するのは、やる前から分かっているのですから、何も無策で失敗する必要はないわけです。そうならないために準備をしますが、それでもリスクは発現するものです。その発現する新しいリスクの予兆をどう捕まえるかは、日々のコミュニケーションのトランザクションに潜在しているものですが、その結果としてのWBSの予実の較差となって現れるのも一つです。


だから、一つのWBSのさぎょうの種類、例えば、設計書の執筆なら、そのWBSの完了状態を定義してから作業を進めるわけで、現物ベースでWBSの中のどこにいるかを押さえるんです。WBSは、終わったか終わらないかですが、その中のどこに居るのかでまたリスクの度合いが変わるものです。なので、WBSの進捗の居場所を押さえつつ、計画の開始日と終了日と、実績の開始日と終了日の差異という日付を数字と捉えて気にしていました


あと、もう一つあって、もちろんプロジェクトマネージャなのでプロジェクトの予算管理をしないといけないです。入る収入と出て行くコスト。プロジェクトマネージャになってプロジェクトの予算管理を任されたので、キャッシュフローという概念は実感しました。あとで会計の話の本を読んだときに「あぁ、あれか」ととっつきやすかったものです。


予算管理のコスト面は、組織の中のメンバとビジネスパートナーとその他の経費などで構成するのが一般的だと思うのですが、メンバやビジネスパートナーのコスト、つまり、人件費をただのコストとしてだけではなく、作業負荷や作業の流量の観点でも見るようにしていました。


それはどういうことかというと、プロジェクトの人件費を合計で管理するのは最後で、月々のメンバ別の作業計画の時間と実績も見ていた、ということです。プロジェクトの人件費は、まるっとして合計で予算と比較すればいいです。ただ、それでだけの評価では分からないことがあって、今の進捗の実績の認識が正しいのか、ある意味プロジェクトマネージャが別の視点で裏づけを取ろうとしていたのです。
#ビジネスパートナーの作業時間は、契約形態によって管理できる場合とできない場合があるので注意が必要です。


進捗は、計画と実績の較差で現れます。コストは、作業時間で現れます。それを結びつけて考えるのです。予定通どおりの日数とコストでその作業の完了とするdeliverableがアウトプットされたのか、出来高があるのかそれを見る。その出来高をアウトプットするために想定外の見えない負荷が掛かっていたり、作業が集中していたり、作業の流れが滞留していたりしていないか、それを見るのです。


出来高の観点はEVM (Earned Value Management)です。計画した作業のコストで計画した出来高が出ているか。それにプラスして、その作業見積もりの妥当性を裏付ける、若しくは、誤りを見つける観点での特定メンバへの負荷状況や健康状態を見るために一人ひとりの計画した作業時間と実績の作業時間の数字に気をつけて見ていたのです。


この作業時間の較差の数字に注意を払うことは、後々のマネージャに成った後のメンバの労務管理の観点での負荷の平準化や健康面でのアテンションに有効に働いたのは事実で、その観点を持たないプロジェクトマネージャへの助言するときの事実としての説明になったのは我ながらよい視点だなぁ、と感心したものです。