実戦で弾を撃てるようにならなければ仕事なんて出来るようになれない


ワタシがかれこれ20数年もこの業界にいて、先輩エンジニアをすごいなぁと眺めて仕事をしていたらいつの間にかワタシ自身がそのころの先輩たちの年齢を追い越してしまっていて、「そりゃ自分もオッサンになるわな。」と意味不明なつぶやきをするほど、後進育成にはいろいろ課題が山積みでどうしたものかと若干頭を抱えているこのゴールデンウィークなんですが...。


なんで若干頭を抱えているのかと言えば、そういった仕事も天から降ってくるのであって要領よく回避できればそれが降ってきた方へ「大変ですね。」と言えるところを自分に向かって「大変ですね。」と言うアホな事態に押し込められているからです。


で、後進育成と言えば仕事柄エンジニアで、特に、ワタシの専門がプロジェクトマネージャであれば天はプロジェクトマネージャの育成を「よろしくね!」ってにっこにっこにーってするわけです。そうにっこりする方だって、実はそれが易々といかないことも知っているだろうに。
#ヒドイ。


プロジェクトマネージャを育てる冴えたやり方
実際、これまで一緒に働いてきたエンジニアの中からワタシがこの人はプロマネ向き、この人はエンジニアのスペシャリスト、この人はそれ以外、と若干の本人の意向も汲みつつジョブアサインと育成をしてきた結果、多くのメンバがプロジェクトをキャリーするプロジェクトマネージャになれたのは、当の本人たちとの二人三脚があったからかなーって思うんです。


実際は、二人三脚と言っても当の本人が試行錯誤してきたものであって、ワタシはワタシなりの綿密なジョブアサインと適当なフォローと権限移譲のお蔭様なのだと思っています。じゃあ、試行錯誤で何したの?って聞かれれば、机上での勉強もあるし、プロジェクトでのOJTもあるんですけれど、やっぱり“OJTに勝るものなし”ですが、机上も机上でやり様とマインドセットでメリットもあるし、OJTだってやり様をミスればメンタルダウンするデメリットもあって、こっちをやっておけばいいという答えがない所がいかんともしがたいです。


つまり、プロジェクトマネージャを育てるやり方に冴えたやり方なんてないんだ、ってことです。


プロジェクトマネージャのスキルが落ちてきてはいないか
そもそも、ワタシにプロジェクトマネージャの育成ネタを振るなんてどうかしていると言えばそうでもあるようなないような。たまたま組織横断的にプロジェクトのレビューアとしてレビューに参加するとか、「こまったんです。」と個別に相談があるとホイホイと呼ばれて相談会に首を突っ込むのがいけないような気がするんですけれど、それらを観ていてどうにも思う事が一つあって。それが、


“プロジェクトマネージャのスキルが落ちてきてはいないか”


ってことです。感覚の問題と言えばそうです。プロジェクトが成功するしないをQCD+時間を評価ポイントとしてみれば世の中失敗プロジェクトが過半を超えているのが常であって、その評価ポイントを下回る件数は世の中と比べらたまったくもって少ないので「優秀ジャマイカ?」と思うんだけど、プロジェクトの推進や運営で困っているという相談を受けるのがあるにはあるのを見ているとどうも先の印象を持ってしまうのは間違いでもないかなと思うんですよ。


てっとり早く形式知を学ばせても
天の声、つまり経営者から見れば採算の合わないプロジェクトは早く正常に戻したいし、一人ひとりのプロジェクトマネージャやその予備軍の力を補強することを期待するんです。それは、マネージャなら「そうだよねー」って至極普通にそう思う。そうやってプロジェクトマネージャやアーキテクトが育たなければ人の更新は進まないし、増強できなければビジネスは拡大にならないのだから。


だから、てっとり早い方法を選びたがるんです。それが机上での勉強。知識体系とか開発フレームワークとかそういったもの。PMBOKもプロジェクト管理手法のフレームワークでプラクティスの塊なのであるが故、無知であればあるだけPMBOKやっておけばいいんでしょってなるけれど、さすがに今は少数派になってきたのはPMBOKフレームワークでしかないと気づいたからでしょう。フレームワークだからこそ、それは思念であって、それを実現するための道具立てが必要で、その道具をどうするかって話になりがちなのが今居るところなのではないかと思うんです。


本質は違いますけど。


何れにしても、形式知を頭に詰め込んで最前線に立たせるのはそれはそれでありだけれど、本人がフレームワークフレームワークでしかなくて必要な行間は自分の経験からかそれとも他の人のノウハウから持ってくるものだと割り切ってれば大体何とかなるだろうし、それに気づかないんならゾンビになっちゃうかなー。


ワークショップは模擬訓練であってリアルに実弾を打てなければ
なら、少しでも実戦に近づけたいと思うとワークショップがその候補になるのは至極当たり前だし、ただ机上で座学で詰め込むよりもワークショップで体を使って体験することの方が実入りは多いです。
#だからワークショップを進めているんですけどねー。


でもね、ワークショップも模擬でしかないんです。模擬は模擬のシチュエーションでしなかいんです。そのワークショップで前提を置いたことを条件下に学ぶのです。その前提をわかって学ばないと豪いことになる。あの時ワークショップで学んだことと違う、って。実際のプロジェクトは、リアルで目の前に顧客がいるし様々なステークホルダがいるのです。そのリアルな相手とコミュニケーションを取り始めるところから必要で、最初にアイスブレークするワークショップとは初めから違うんです。何度も言いますが、ワークショップはワークショップの都合があるので都合の良い環境下で行います。リアルのプロジェクトはそうはいかない。それをプロジェクトマネージャが環境作りから始めなければならないんです。


それは、実弾の撃ち方を知っていても、“実際に撃れなければ役に立たない”ってことです。そう言った機会は実のプロジェクトでしか得られない経験で、それを教育の中で実装するにはハードルは高いし、まなぶ側のマインドセットもその心構えがなければ身につかないし、そうした育成が実現したいのですが、それをモヤモヤとしているのでとても休んでいる気にはなれないんです。ブツブツ。
#最初↑に戻ります。