チームビルディングには時間が必要だと改めて実感したよっていう話


頭数を揃えただけの寄せ集めのチームの症状
ときどき見かけたり小耳に挟んだり、将又、当事者だったりしませんか。人数は多いけれど進捗は遅れているらしいとか、トラブルをよく起こして品質が悪いらしいプロジェクトがあるとか。


そんなプロジェクトチーム、だいたい頭数だけしかプロジェクトの必要なリソースが揃っていないプロジェクトです。まぁ、リソース自体が揃っていないプロジェクトもあるだろうけれど。それでも、まぁ、必要とされるリソースである頭数が揃っていたとしてもですねぇ、そんなの何の役にも立たないことなんて、経験のあるプロジェクトマネージャやマネージャなら察しが付くもんです。


下手に頭数が揃ってしまうと、調達を掛けた側は「必要な人数を揃えたのだからあとは契約どおり遂行してね。(はぁと)」って言って去るわけです。で、冒頭に書いたような状況になると「なんで〜???」って聞いてくる。阿保かって。


チームとして成果を出すために必要な背景
プロジェクトに必要なリソースは、deliverableを作る為の技術と人と時間が必要なんだけれど、チームとして動いて得たい成果を出すにはそれなりの関係が必要なんです。その関係とは“高いコンテキストで意思疎通できる”状態を指します。“高いコンテキスト”とは、阿吽で会話するとか、会話する前提の背景を仔細に説明する必要がない、とかそういったものです。


お付き合いが短いなら、お互いに齟齬がないように大事なことは一つひとつ理解されているか確認をしながら話をコミュニケーションを取るだろうけれど、高いコンテキスト下の関係ならそこは暗黙で共有されているのでコネクションを張る手順を端折れるわけです。


メンバは替えるな
アジャイルスクラムだって、チームはメンバをそう易々と入れ替えるなっていうわけです。だって、短期間で成果を届けるんだもの。暗黙のコネクションを張れていた関係がメンバを入れ替えた瞬間に、それが一から張りなおさないといけないんだからそれは手間ですし、パフォーマンスも下がりますわ。


じゃあ、頭数を寄せ集めたようなプロジェクトチームで、一体どうやって期待するパフォーマンスを出していくかっていう課題に対して、どうやって実践してけばいいのだろう。もしその頭数を寄せ集めたプロジェクトチームのメンバが旧知の仲とか、すーぱースペシャリストな人たちが調達できたのなら、あとはそれこそプロジェクトマネージャの力量ですよね。


そうでなかったら?


推進に集中できないプロジェクトマネージャ
ほんと、頭数寄せ集めのチームなら、プロジェクトマネージャは、そのメンバを引率するだけで力尽き果てちゃうんじゃないかな。相互に手順を省略できるものを一からコネクションを張りに行くわけです。そして、こちらの期待と相手の理解を突合させて需要出来るズレの範囲まで修正し続けないといけないわけで。


結局、プロジェクトだろうが恒常的組織だろうが、人と人が関係する以上、団体戦として一人一人の力以上の成果を出そうとするなら、高いコンテキストを築けないと、都度、コネクションを張るオーバヘッドが重なるから個人が持っているパフォーマンスを束ねてたものよりオーバヘッドの分少ない成果しか出ないだろうね、って思うんだなぁ。


恒常的組織なら組織として長い時間をチームビルディングに費やすことができるけれど...有限のプロジェクトチームではそれをやっていると納期が来てしまう。


それを回避するにはやっぱり恒常的組織からプロジェクトの中心メンバを組み入れて高いコンテキストでコミュニケーションが取れるようにしないとやり切れないだろうし、組織力なんて発揮されないんじゃないかな。