エンジニアからマネージャになるために思考を転換しないといけないたった一つのこと


エンジニアのころは、それもある部分の担当エンジニアだと、自分の担当する機能なりサブシステムなりを如何に仕様どおりに動かすか、だけを考えてモノづくりしてきたような気がするんですね。それだけでもつっこみどころあるかもしれないけれどもう昔の話なので時効扱いしてくださいな。


でエンジニアからプロジェクトマネージャを経てマネージャになって、

「あぁ、これがエンジニアとマネージャの違いだわ。」


て気づいたことがあって。何かって言うと、自分が担当する機能なりサブシステムなりの実装する機能を最初に認識した以上に実装をしたがらないってことです。いや、ちょっと言いたいことと違うなぁ。

“最初に説明を受けたときのこれからやる仕事の範囲の前提を変えることに非常に抵抗する”


の方がしっくりくるかもしれない。ううん、こっちだ。いや「そんなエンジニアなんて居ないでしょ。」なんて即答するかもしれないけれど、たまたまなのかそれともワタシの周りのエンジニアが、かもしれないけれど、実際、実装する仕様以上をやらない壁を作る物言いをするエンジニアは存在するのであって、他所様もそれほど変わらないなんだろうなぁと思うんだけれど。


こうした一度聞いて認知したら変えたがらないっていう気持ちは何なんだろうねぇ。例えば、見積もり自体が顧客側も受託するSIer側も明確ではない事柄で契約までに相互に明確にならないことを仮定、つまり前提を置いて見積もりすることは間々あることで、前提を置いている分だけどんぶりで何でもやりますけど詳細は詰めて見積もりしません、な見積もりよりどれだけ不確定要素が限定されるか、見積もりの精度の観点でも十分リスクヘッジしていると思うんだけれど。


ここにマインドセットを変えないといけないポイントがあるんじゃないかって。仮説や前提は、そのときに決められないからこそ“仮置き”するのであって、わざわざ変えたいからそうしているんじゃないんです。必要な情報があるにもかかわらずその情報を取りに行かずに顧客と会話もせずに前提を置くならそれは前提とは言わないし単なる一人相撲なんだね。


脱線してしまうかもしれないけれど、この“一人相撲”もホント多い。最初に貰った情報だけでわからないことを妄想してこねくり回して屁理屈を作ってしまう。それ、「訊きに行ったらすぐに解決するんじゃないの?」ってことに多いのは不思議なくらいケースが多いのは、面倒くさいからなんですかね?それともコミュ症なんですかね。こうして私となり周りとは会話できているんだからコミュ症はないわな。じゃあなんだよって言いたいこと言いたいこと。


話を戻して、相互に必要な情報を取れるだけ取ったけれどそれをそのままだと見積もることもできなくて前に進まないから不確定事項を前提に置き換えるわけで。それは、不確定な事柄をあとで置き換えられるモノにすり替えているわけです。それって、いいでしょ。だって大きさも重さも香りも形も味もわからないモノを別の似ていそうで知っているモノに置き換えて、相互の知っているモノをスタートポイントにしておくんですから。


それは、その仮置きしたモノは次第に分かったタイミングでそのわかってきたモノに置き変わることを当たり前としているわけです。なら、変わる方が当たり前で変わらないことは返って誰も何も気にしていないフォローされていない状況であることを映しているってことです。それは別の意味で危険な状態なのではと思うんですよ。


人がやっている以上、顧客もSIerも絶対、はないです。ハッキリ決めて見積もっていたことだってうっかりもそれ聞いていないよーも含めて変わるんですよ。で、変わることはあるんだと何時でも忘れないことなんですよ。


変わるとはそれ以前に確かなことは確かなこととして、不確かなことは後で交換できる単位に仮置きして物事を進め、買えないといけないときに、どこから変えるというスタートポイントとして評価できるようにしておくことが大事なんです。


そうした発想をもっておかないといけないのがマネージャであって、それをコントロールするのがマネージャなんですね。そうした思考を持っていないとマネージャはやってられないです。