正しい会議


プロジェクトの朝会をメンバに任せたとき、たかが15分程度の朝会がどうしてオドオドと進行するのだろうと不思議に思っていたのですが、もしかして「会議の運営の仕方を知らないのでは?」と思い至って。


ワタシはその昔に参画していた大規模プロジェクトの会議体一覧を見て、「(会議ってそうやるのか……。)」って情報を得たり、実際運営をしたりして経験値を重ねた口です。


会議体一覧くらいで「何を感心したの?」って思うかもしれないけれど、その会議体一覧は良く出来ていたんですね。大規模なプロジェクトであったからこそ、多くの会議が顧客や横並びのベンダと開催されるのですが、そうした出席してもらわないといけない人たちに何のために開くのか、誰が出席しなければならないのか、そうしたところまで汲み取れる一覧だったんです。


中小のプロジェクトでは会議体の定義までプロジェクト計画で手が回らないのが実情でしょうし、大規模であっても顧客が厳しくなければそれほど厳密に定義されてないのではないか、と思うのです。


本来であれば、プロジェクトの大小に関わらず顧客との合意形成や相談することを目的として、つまり、コミュニケーションツールとして会議体は必須のもので、その目的が顧客と何かあったときのために、とか、仕様検討のために、とか、プロジェクトをキャリーする上でプロジェクトマネージャが押さえたいツボを押さえるために計画するものなのですけど。



会議の目的
その会議体を開催する目的です。それをきちんと定義しなければなりません。なんでも闇鍋のように一つの会議にテーマを放り込んではいけません。マネジメント同士の意思疎通する場なのか、仕様を検討する場なのか、進捗を報告する場なのか。“何をテーマにするのか”を定義するのです。


主催者
定義した会議を開催する権限を持つ役割を担う人です。会議には主催者を決めなければなりません。主催者は、次の義務を担うのです。

開催周期の決定 日次・週次・隔週・月次・随時
開催要領の決定 開催周期に基づく日時・場所・出席者(必須・任意)・議題
agendaの決定と事前配布 議題の決定と資料の事前収集・配布
議事運営 会議を進行する
議事録の配布 会議での結論を記録する

開催日時
主催者は、開催周期にもどつき、会議の開催要領を決定します。その一つが出席者に来てもらわないと会議が成立しないので、会議の開催日時を調整しなければなりません。


特に、出席者で出席が必須の人が出席しなければ会議が成立しないので、会議が開かれている期間はその会議のために予定を開けてもらわなければなりません。そのため、会議目的を明確にして、出席が必須の人には事前に調整が必要になるのです。組織を跨るときや関係者が多いときは、その調整に大変手間取りますので会議の開催日時を決定するだけでも一苦労なのです。


agendaの決定と事前配布
会議の目的のために会議は開かれるのです。しかも、それぞれ忙しい人たちが時間を開けてくるのですからその会議が開かれるたびに、目的を達成しなければ次第に必須の人から出席者が欠席をするようになってしまいます。


会議の目的を達成するためにagendaを決めます。agendaですから会議の全体の時間の枠の中で収められるように時間配分をしなければなりません。テーマは事前に議題を持ち寄る対象に人から集め、時間配分を調整します。


agendaは開催要領として、会議の必須、任意にかかわらず出席者全員へ案内します。その会議の中で議論する対象の資料も合わせて、会議開催の前、事前に配布するのです。


事前に資料を配布するのは、限られた会議の時間の中で資料説明に割く時間をなくすためです。例え、直前に資料が差し替わるとしても事前に資料を配布して、資料説明の時間を削り、議論する時間に割り当てなければなりません。なぜなら、会議は資料説明の場ではなく、会議られた時間の中で議論して結果を導くために開催されるのですから。


運営
会議は開催要領に従って会議を進行します。そのための運営が必要です。会議に出席してもらう人はその会議開催の定義に合わせた時間だけした身柄を確保できていませんから、その時間ないでagendaごとの結論を導き出せるように主導権を確保して、参加者全員の目線を合わせ続けなければなりません。


また、会議を進行中に議論された決定事項、確認事項、課題事項についてメモを取ります。これは会議終了時にagendaごとにその結論を確認するために必要となります。小規模のプロジェクトでなければ、会議中に議論された事柄については主催者以外の人に委任しておく方が運営を確実にするためにも良いでしょう。


会議ごとの最後には、会議中に取ったメモから、agendaごとに何が決定されたのか、何が確認することになったのか、何が継続となったのか、何が課題として新たに設定されたのかを確認します。継続となった課題と新たに設定された課題については、誰が、いつまでに、何をするのか、をその場で決定し、出席者全員で確認、記録します。


議事録の配布
会議開催の終わりに、決定事項、確認事項、課題事項などについて出席者全員の確認が取れたら、それを議事録に記入と配布した上で、リポジトリに保管することで終了となります。


ただ、これまでのワタシの経験上、会議終了後に各事項を確認しても、その会議のagendaごとの発言のポイントや経緯を記録したいことが多く、会議終了後に議事録として配布することがほとんどです。


その場合、次回の開催ではその議事録を確認することからとなることが多いです。注意したいのは、事後に作成する議事録はその日のうち、又は、翌日の午前中までには出席者全員に配布することです。時間が経つと忘れてしまうので、忘れてしまってから議事録を読むとその説明や結論から別の議論になってしまうことがよくあるため、それを防止するためにも記憶が新鮮なうちに議事録を配布しなければなりません。


議事録は半日以内で配布し、もう半日以内でコメントを受け付けし、反映を判断したのち最終版を次回のagendaの資料として配布するのです。


次回のagendaでは、前回議事録の確認をすることが必要になります。ここでも注意が必要で、時間は短く取ること、短いことを事前に知らせること、決定事項、確認事項、課題事項のみを読み上げるに留めることです。そこで、前回のagendaの議論をしてはなりません。


これをフル装備としてプロジェクトに合わせる
これが会議にかかわる作業のフル装備です。これをベースに担当するプロジェクトで必要な手続きや会議の運営の仕方をアレンジしてください。