エンジニアは、一度、今の仕事を本気で辞めることを考えた方がいい


別に本気で今携わっている仕事を辞めで、転職エージェントの養分になって年収を下げたり新しい職場になじめずストレスを感じる必要はないです。ただ、真面目に今の仕事を辞めると“仮定”して、自分のことを考えてみよう、という意味です。


今担当している仕事を1日で引継ぎできるか
組織に属していれば、その組織の中の人的流動性にもよるけれど、何れは人事異動があったり昇進することで今の仕事を誰かへ引継ぎが発生するものです。それほど大きなインパクトではなくても、担当している仕事がプロジェクトならそのプロジェクトがexitすればそのプロジェクトのアサインから解かれるわけで、どちらにしても、何れは今の仕事からは離れるのは確実なことです。


それが急に来たとき、アナタは自分の今の仕事を例えば1日で誰かに引き継げられるだろか。


別に引き継ぐことを前提にするのはおかしな感覚を持つけれど、日々の仕事から生み出されるアウトプットの積み重ねが今の仕事でのアウトプットの総量であり、それを後任が困らない程度に漏れなく遺産として渡してあげないとあとあと召喚されることになるのは明白なことなので、そうしたことも加味してアウトプットはひとまとまりにして渡さないといけない。


まだ、アウトプットは実体として感覚的に把握できるけれど、仕事の作業フローはザックリとしてもポンチ絵程度にはしておきたいものだけれど、普段から作業フローを定義していないで雰囲気でフローしているエンジニアが多いので引継ぎのときにここで津待つことが多かったりするんですよね。


そう考えると、プロジェクトにアサインされてたときから、仕事を任されたときから、引き継ぐことを想定してリポジトリを構成管理しておくことと作業のフローを大体でもいいから決めておき、適宜修正しながらでもフローを意識しておくことが大切だと思う。


そうそう、作業フローを意識しておくことは、その作業フローで“誰と”接点があるのかも明確になるのでコミュニケーションパスが不明瞭にならなくて引継ぎのときあたふたしないで済むものです。


自分の売りは何か
今いる組織から離れるわけで、組織内という域内価値とは違う物差しで自分を測ることになるのです。意外とこれができないものなんですよ。


やっぱり、人はだれであっても自分のすることには甘くなってしまうもので、自己評価ほど信頼できないものはないものです。とってもドライに、サディスティックに、と表現していいくらいの人でないと、今、属している域内の価値のメジャーから世間の物差しで自分を見つめなおすということが難しいんです。


自分自身の売りを知るということは、強みはもちろん、弱みも知っていなければならないし、その強みが世間でどれだけ競争力を持つのか、客観的に推し量られるスキル自体も必要です。


所詮、人の技術も需給により価値は変動するものですが買い手は安く買いたいという心理が働くからそれを上回る価値をしぶしぶでも納得できる“言い訳”を相手に与えられなければ結果的に自分が売れないのでそこを何に求めるかを考えるのも意外と楽しいものです。


収入形態が変わることに対応できるか
今、所属する仕事を辞めるということは、今まで中が無意識に手に入れていたお金を別のところから労働の対価として得なければならんのです。今の生活が今のお金で成り立っているなら、もしかしたら、その構造を変えないといけないかもしれないのです。


簡単なところからでは、月棒+賞与から年棒に変わるかもしれない。それだけでも生活は変わりますよ。家族がいれば家族に与えるインパクトだってあるんですし。


まぁ、今の仕事をやめられないのはここを占めているウエイトが大きい、っていうところがあると思いますよ。


ひと通り考えてみると先々までどうしようかを考え始めるよね
実は、ここが狙い、です。今を知る、自分の価値を知る。そうすると、じゃあ、先々、5年後、10年後を考えてみようかと思うかもしれない。そう、10年後は何歳ですか。意外と仕事をしていると、子育てをしていると時がたつのが早いのですよ。


そのとき、今の組織で何の技術で食べているのだろう、と考える。


これが大事なこと。いまどき、10年後なんで今の組織の存続でさえわからない、というなら、じゃあ、そうなりそうになったとき、アナタはどこでどう稼ぐのか。そうなってから慌てて準備をするの?とても間に合わないよね。利口な人から最初に抜け出しますよ。


不安定な、視界不良な時代なら、そうした気持ちを持っておくためにも、一度は、今の仕事を辞めることを本気で考えてもいいのではないですか。