マサカリを投げつけられるのは若いうちに慣れておかないとアラフォー過ぎてからだと大怪我してコワイよ


エンジニアなら、日々の成果、アウトプット、deliverableはその作業の依頼元のスポンサーに「こんなんできました。」とお納めしないといけません。そこでご査収いただけるとはじめて作業は「Done」したことになるのですから。


ただ、ご査収は「はい、どうぞ。」「これはこれはありがたく……。」なんてわけにはいきません。必ず、一悶着あるものです。「はい、どうぞ。」「ちょっと待て。どうなった。ふむう。このページの……。」と始まるのが定石ですし、様式美です。お納めしようとしてる(受け付けているだけで受領されたわけではない)deliverableに致命傷があれば即それに指摘が入るし、致命傷が無くてもひと言言わないとカッコがつかんと思っている人も少なからずいるので「そんなことを長々と……。」とつい思うようなことまで言われるのも伝統芸なのかもしません。


そうしたありがたかった、ありがたくなかったりする受領若しくはダメ出しの中にマサカリを投げるという秘儀が混入していることがあるので注意が必要です。

【マサカリを投げつけられる】
−は、 技術的内容の誤りや混乱に対して正論を投げつけられている様。「レビューで顧客からー」「社内技術発表会で−」


それでは、マサカリを投げつけられた場合にはどうしたらよいでしょうか。


マサカリに対する姿勢
基本的に、誰かが自分のなすことに対して反応している状態であれば、自分のアウトプットに対して何等か期待していたといことが暗黙に先方の内面に内在していたのであると思う事です。言い換えれば、こちらの振る舞いの結果に対して「勝手に期待していた」ということです。先方が勝手に期待していたのですから、こちらとしても「勝手にありがたく頂戴する」ことにしましょう。


「言っても貰えるうちが花」と言う言葉がある様に、社会人と言う大の大人に対してそうそうと意見を正面から言っていただけることはそうそうないのであると認識しておきます。組織によっては、生き馬の目を抜くような熾烈な争いをしているところもあるとどこかで読み聞きした気がするのでまんざら嘘でもないのでしょう。何れにしても、モノを申してくれるうちは有難く頂戴するという「姿勢」で向き合いましょう。


マサカリはコトに対して聴く
その姿勢の上で、マサカリはマサカリを投げつけられている自分の仕出かした「コト」に対して聴きましょう。間違っても、自分に対してマサカリを受け留めてはいけません。それでは、マサカリを投げつけた人とデスマッチになってしまいます。それも相手は正論を言っている可能性が高いので勝てる気がしません。あくまでも「コト」に対してとして聴くのです。


マサカリは次第に飛んでこなくなる
マサカリは比較的若手に向けて投げつけられます。それはマサカリを投げつける方が投げつけやすいからです。何て言ったって、相手は若造か小娘です。格好の的ですからね。投げますよ、マサカリ。ビュンビュンと。


でも、次第にマサカリは投げつけられることがなくなります。それは大の大人が相応に経験を積んでいるんだろうから「もう言わないよ。」という表れです。と言うか、ベテランにマサカリを投げつけるより若手に投げて「先輩凄いですね!」とか「いろいろ教えてください♡」とチヤホヤされたいだけです。


ベテランになっても投げてくるのは、業務上必要な上司か、投げつける相手の実在ベテランエンジニアであることを知らないコミュニティやネットの向こう側のオフ会で会ったことのない人です。それでも、自ら砲雷激戦をするつもりで機雷入りのdeliverableを投げ込まなければそうしたことの機会は減るものです。


錆びる感覚と不意に投げ込まれるマサカリで大怪我をしないように
ベテランに近づくとマサカリが飛んでくることはだいぶ減りますから、次第に当時はできていた向き合う姿勢を忘れてしまうものです。経験は条件反射を鍛えますが、その頻度が少なくなれば感覚は鈍ります。そして、突然マサカリが投げつけられるので鈍った感覚ではそれを若いころのように躱すことが出来ず、中途半端に向き合う姿勢を知っているだけ半身だけが避けてしまう結果、正面衝突よりもダメージが大きいオフセット衝突するわけです。


ベテランにもなると、それ相当の経験に対する期待がある中でのdeliverableに対してマサカリが飛んでくるのですから、飛んでくるマサカリも重いマサカリが飛んでくるのです。マサカリを投げつけるのも若いころに投げてきた中堅やベテランエンジニアではなく、部長とか役員とか社長とかですからね。受け止める姿勢を忘れていたり、感覚が鈍っていると酷い怪我をします。相手が役職者ですからね。危険です。


そうしたときに咄嗟に身を動かせるように「コト」に対して意見がついていると改めて認識して、その意見がついた「コト」を如何に改良するかに対するマサカリを有難く頂戴するかという立ち位置で受け止めるつもりで伺いましょう。


そうしたポジションに立ったうえで、そのマサカリをどう料理するかは受け止めたあなた次第です。