今年配属される新人エンジニアに「新人研修」で、どんなスキルを身に着けてきてくれていたらうれしい?


5月も下旬に入って今年仕事に就いた新人エンジニアは、絶賛、新人研修中だと思うのだけれど、新人エンジニアはどんなスキルを集合研修で学んで来たら、新人エンジニアを迎える側はうれしいんだろうね、という話になって。話をしていたのはワタシの組織内の人たちだし、新人研修自体がそれぞれの組織で違うだろうことは前提にした上での話ですけどね。


その前にエンジニアの新人研修って何やっているの?
そんなの「組織ごとで違うよなー。」なのはわかっているんですけど、大雑把にいえば、

  • ビジネスマナー
  • 技術研修


ですかね。ビジネスマナーはちょっとだけ。電話、応対、メール……、最近は、セキュリティ、ソーシャルネットワークでしょうか。組織によってその期間は様々でしょうけど、技術研修は基本的にプログラミング研修ですよね。言語を覚えて、演習やって。組織によってはプチプロジェクトやったりしていますね。


ビジネスマナーは、昨今のコンプラ対応がコンテンツに入ってきているのが時流なのかと。一方、技術研修も言語がJavaか今風の言語に遷移しているくらいでしょうか。こうして見返してみると、新人研修って見栄えがかわらないというか、思いっきり技術偏重なんですよね。まぁ、言語をやる前にはプロジェクト管理手法の概念とかシステム開発手法の概念とか、さわりだけはやっているかもしれませんが、何せ、やっても概念ばかりだと思うんですけどね。少なくとも、ワタシが知っている限りはそうなんですよ。


基礎スキルをまったくやらない
よくよく考えてみると、意思疎通や説明するスキルなどの基礎スキルを「研修として明示的にやっていないのでは?」と言うところに気づくわけです。でね、ネットでは意識の高いシステムエンジニアが必要だとか、コミュニケーションスキルがないとやっていけないとか、文章が書けないと使い物にならないとか、コードはGitで公開しろ、だとか。


オーケー、技術と言うかプログラミングの基礎は集合研修でやるね。じゃあ、基礎スキルは?基礎スキルはどこでやってくるんだい?高い期待があるのに、どのくらい期待しているかも、何を期待しているかも何もガイドがないのかね。それじゃあ、配属を受ける側は勝手に胡坐をかいて、勝手に期待して、その上こういうんだ。

「今年の新人は使えねーな。」
「もっと解り易く説明してよ。」
「要点に絞って。」
「てにをはくらいちゃんとして。」
「自分で調べられることは調べてからきて。」
「大体、指示したことを理解できてるかがわからないよ。」


チャンチャラオカシイ。おまえらだって新人の頃はどうだったんだい?いや、今だって「てにをは」をちゃんと使えるのかい?なんでワタシが査読すると、意味不明な文章で悩むんだい?


新人研修に基礎スキルの研修が必要な時期なのでは?
大手なら組織のキャリアパスIPAの資料などでも確認できるけれど一部公開されていて、エンジニアの職種ごとにレベル設定がされていることがわかります。これは職種ごとに習得している必要のある基礎スキルや技術スキルも設定されていると思われます。新人研修では、エンジニア共通の大学で言えば教養講座が新人に対して施され、習得を期待されている。その先は、それぞれの配属と今後のアサインと本人の希望によって期待されるスキルエリアとレベルに展開される塩梅です。


ところで、新人研修って一番まとまった教育のための時間が取れる最初で最後の機会なんですよ。つまり、ここで技術ばかりじゃなくて、基礎スキルだって必要なんだよ、と刷り込む大事なタイミングじゃないかな、と思うのです。ましてや、卒業してくる学部がばらばらで、一人ひとりの学生の持っているタレント性の較差は一番開いている時期なのではないか、とも思います。それを集合研修で技術面については最低限のプログラミングスキルのレベル合わせをしているのだと。


だとするなら、基礎スキルで、会話したことを理解できて、聞き取ったことは自分の言葉で表現出来て、わからないことはポイントで伝えられる、という研修をやる時期なんですよ。明示的に研修講座として取り入れる必要がある、と。


少なくとも、そう言った基礎スキルがシステムエンジニアには必要なんだとは教えてあげないといけない。