システムエンジニアの新人研修における盲点


実際に、まだ入社してから3か月、実質は2か月しか経っていない新人の中に飛び込んできました。新人の彼、彼女たちはまだ新人とはいえ、2か月間一緒に過ごしている中に講師としていくことのaway感と言ったら、もう!!ってものです。


新人たちとしては、「なんだかわからけど基礎スキルの研修をやるらしいよ。」ぐらいの情報しか知らされていないらしくて。それも尤もで、何せ、当初は「余裕ですよ。」とスケジュールに余裕かましていたところに問題のある課題が降ってきてそのフォローにだいぶ時間を取られたという「言い訳」をするほかないほど、講師をする前日夜までスライドの更新をしていましたから。はい。


そのaway感ある中に早朝、早めに現地に到着して新人君たちを眺めているとすごい違和感を感じたんです。こう、なんというか、大学や院卒の大人の男女のシステムエンジニアのヒヨコのはずが、子どもにしか見えない。


「(あー、一人前に扱えないかも。)」


正直そう思ったです。あと数年もすると「うちの子どもだって就職するんだろうなぁ。幸いにも就職出来たらこんな感じになるんだろうなぁ。」と、脳裏をよぎるわけです。さすがに涙を滲ませまたりしませんでしたが。


集合研修にあるあきらめ
新人エンジニアとして4月を迎えて、社畜になることを誓わされて、いや、誓わないか、いきなり全員網を掛けられて集合研修させられるわけです。現場のキッタハッタから隔離されたある意味無菌室で培養される。


そうした環境で何が起きているかを考えたことってあります?何が起きているか。別にセンセーショナルなことはないけれど、ある意味、じんわりとボディーブローのように効きそうなことが起きているんです。


まだ2ヶ月やそこらです。その期間に何が起きているかといえば、隔離された環境下でビジネスマナーや言語研修しかしていないわけです。かなりユルく。9時から5時までそればっかり。偶にイベントはあるだろうし、でも、具体的には何をしているかは知らないけれど、ほとんどは、言語を学ぶこと「だけ」をしている。


それはそれで必要なことなんだけれど、そのユルさが現場のスピードとは違うんでは?と思うわけです。


勿論、右も左もわからない卒業したてのワカモノに、言語も知らないワカモノにスピードを求めてもしょうがないじゃん?っていう人もいるだろうけれど、でもね、でも、まるで時間軸がとまったような培養器の中でそれを覚えるようなやり方をしていていいのか?そのあと現場に放り出されたとき、ソフトランディングできるの?って思っちゃう。


いや、去年までそれでやってきているんだから、と言われるかもしれないけれど、そうした研修の制度設計と集合研修を終えたときの卒業時点での新人が備えているだろうスキルと現場がたかだか集合研修しかしていない新人に対して期待していることのギャップを誰が認識しているのだろか、と。若しくは、そうしたギャップがあることを認識しないといけないのだというのは誰の仕事なのだろうか、と。


そらで思い返してみると、研修で学習する新人たちへの期待と、それに掛ける研修内容が研修制度全体から誰も見ていないのではないか、と思うわけです。ただ、そうした研修を実施する側と研修を受けた新人を受け入れる側とが「新人なんだから、現地に赴任させてから鍛えてね。」「どうせ、教育し直すんだから勝手にやっておいて。」という暗黙の諦めがあるのではないか、と思うわけです。


ちゃんと、ゴール設定を見直してみることをしたらよいと思いますよ。多分、あいまいでしょうけど。