夏休みの宿題とプロジェクトのタスク


うちの子どもたちも、もう夏休みで、それなりに夏休みの宿題が出ているようで3連休の初日から「英語の本読むの大変だー」なんて言っていたり、さっさと読書感想文の本を選んでいたりと課題への着手が早くて「えらいな。」って思ってしまう。


ほら、だって、夏休みの宿題なんて2学期があと1週間と迫ってきたらやるモノだったでしょう。子どもたちは知りませんがアナタのパパはそっち側の生徒でした。はい。それが何の因果か巡り合わせか、課題を定義して、タスクに展開して、予定を立てて、進捗を管理するお仕事が専門の大人になってしまった。不思議だ。上の子は放っておいても自分で目標設定して進められるから放っておいて大丈夫なので放置しておくんですが、下の子はそうもいかないだろうと、

「そう言えばさ、どんな夏休みの宿題あるの。」
「読書感想文とか自由研究とか。」
「そういう課題ってね、全部紙に書き出して、自分で〆切を決めて消込したらいいよ。」
「そういうのあるから。」
「えっ。」
「そういうのあるから。」
「なに。」
「学校で貰っているから。」


今時の学校は広義の意味でWBSをやっているんだ。たぶん、WBSをやっているんじゃなくて、単に先生にとってはクラス全員が夏休みが終わるまでに課題を終わらせたくて、その課題の管理のためなんだろうけれど、本質は一緒だものね。


子どもたちは、理屈も方法も知らないけれど課題の対応とその進捗の管理の方法を実践していることになるわけで。だけど、その進捗の管理を「何のためにやっているか。」は、知らないんじゃないかな。だって、教えないでしょう、先生は。多分、生徒にはこう伝えるんじゃないかな。

「配った用紙に課題を全部書いておきました。みなさん、自分でいつ初めていつ終わるか予定を書きましょう。」


これ、プロジェクトではこうなるよね。

WBSを展開したのでsubversionにアップロードしました。各自、作業を見積もりして予定の開始日、完了日を記入してください。」


プロジェクトだから、エンジニアはどうしたやらないけないのか、なぜやるのかは知っているハズです。だから、自分で作業を見積もって、予定の開始日と終了日を設定する。だって、そうしないとプロジェクトにアサインされている責務を果たせないもの。


ちょっと子どもの夏休みの課題を実施することで違うのは、子どもたちは一人ひとり課題を消化するけれど、エンジニアが消化する課題は一人では完了できないことが多い=一人で作るより作るまでの過程で周りの人とシンクロしながら決めていくことが多い、と言うところでしょうか。その共通項である一人で作業をしてやり遂げる力を涵養する一つが夏休みの課題なんだなぁ、と。


そう言えば、うちの子どもたちは早いうちから、夏休みが始まってすぐに課題に手を付けます。特に上の子は早いです。それは、早く片づけてしまって、「思いっきり遊ぶだけにしよう!」と言ったら実際そうしてメリットを感じたからなんだと思うんです。


ここでも一つプロジェクトと違いがあるんですよね。夏休みの課題は、一通り終えたらお仕舞でおかわりはないですが、プロジェクトだとプロジェクトが終わるまで幾らでも仕事はありますからねー。特にタスクの進捗がコントロールされていないプロジェクトでは。


子どもたちの夏休みの課題とエンジニアのプロジェクトのタスクで共通なこともありますね。終わらない人は、課題もタスクも終わらない。