アナタが他の組織に異動したり転職してもやっていけるスキルを身に着けることを上司が促さないなら早く見切りをつけた方がいい


前提事項
組織は組織で達せしたい事業目標を持っており、その目標達成のために必要なスキルを持つ人的リソースを確保しようとするけれど、多くは確保する時点でスキルが足らないから目標達成の一環として人的リソースに対して企業がコストを掛けて「教育」を行うのです。これが企業内教育の存在理由です。この企業内教育は通常「OFFJT( Off the Job Training)」と称されます。


一方、教育を受ける側の人的リソースであるエンジニアは、アサインされる「事業に必要な教育」を受けるけれど、一人ひとりの関心事が違う志向性を持っていることから、組織で行う「教育」以外に関心を持っている場合もあります。この場合、組織が提供する「教育」とエンジニアが受けたい「教育」に差異があって受けられない場合、不満に思うわけです。


でも、組織側はエンジニアが「受けたい教育」が組織の目標達成の一助になる可能性がなければ、それに対して予算を執行することの可能性は少ないです。


「教育」の他にエンジニアのスキルの伸長を促す方法として、仕事で覚えるという「OJT( On the Job Training)」があります。実際の仕事を通して実践することで経験を積み、スキルを重ねることになります。


この「OJT」と「OFFJT」は相互に補完関係を持つもので、一方だけでは難易度の高い課題に対処することは難しいものです。ところで、「OJT」と「OFFJT」は相互に補完関係を持つのですが、等価の関係にはなりません。それは「OFFJT」では組織で必要とする「教育」をすべて提供できるわけではないからです。例えば先進的な領域については先駆者がスキル習得のサービスを提供していなければ組織としては買うことができない、などの理由があるからです。


エンジニアのアサインとサバイ
組織は営利団体なので、収益を生む事業を営まないとなりません。端的に言えば商売にしないといけない。その商売になる事業に様々なリソースを投入して事業を成立させるわけです。その事業に人的リソースが足らないのであれば、内製化で育成するかOJTなどで現場で育てながら充足するか、外部組織のリソースをあてがわなければならないわけで、それもできないのであれば事業目標の達成には届かない、と。


組織の事業目標の理由から、人的リソースであるエンジニアをアサインするわけですが、そのアサインをするときにただ「この仕事をやって。」というマネージャならあなたは単なる1つのリソースだとしか思われていない可能性があります。もし、年初に今年1年の目標についてマネージャとエンジニアが相互に意見を共有してお互いの方向性について会話をしているなら、その場で共有されたエンジニアの育成を考慮した上での目標達成を促すアサイメントをするでしょう。そして、その狙いをエンジニアに対して改めて動機づけするでしょう。


もし、年間を通じてマネージャからエンジニアに対して目指す姿、方向性の考えを交わすこともなく、仕事のアサイメントもアサイメントの狙いの意図について一言もないなら、そのマネージャはエンジニアを都合の良いリソースとしてしか見ていない可能性があります。こうしたアサイメントには、組織の事業目標の達成のためだけの理由でのアサイメントしか考慮されておらず、そうしたアサイメントには技術領域を深めさせるとかロールをステップアップさせるとか、エンジニアにプラスの成長を促すプレッシャーを与える要素が一つもないことをエンジニア自身が認識しなければなりません。そこにはエンジニアは自信でサバイブしなければならないという環境に身を置いていることを知らないといけないのです。


そうした環境下に置かれているのかそうでないのか、エンジニアは自分の置かれる環境を自分で判断しなければならないのです。それは誰も教えてくれないから。もし、そうしたエンジニアのスキルを伸長させることのない環境下に置かれているなら、自分を成長させる駆動をすべてしなければならないということです。


とは言え、仕事の大部分、多分80%以上はOJTである仕事から成長の源である経験を習得しているでしょうから、アサイメントが非常に重要になるkとは明白であって、そうした仕事のアサイメントが何年も同じ技術領域、同じ技術レベルの要求、同じロールなのだとしたら、あなたはエンジニアとして何一つスキルの成長を期待されていないとしか理解できないのですから、その仕事に見切りをつけた方が良いでしょう。


ジレンマになりそうなのは、そうした見切りをつけるにしても現業の仕事をこなしつつ、OJTでもOFFJTでも得られないことを自己研鑚として取り組む時間を確保して、それに投資をして準備をしておき、他の仕事に何時でも移れる条件を満たせるようにしておくことが肝心です。


ワタシのエンジニアのスキルの成長を促す考えから言えば、いつ、そのエンジニアを他の組織が欲しいとか、エンジニア自身が転職すると言ってきても「恥ずかしくない」エンジニアに育てておくことがマネージャの仕事だと思っているけれど。