同じプロジェクトの2つのグループにエビデンスを取ってもらったら
1つのプロジェクトに2つのグループ(=サブシステムが2つあるイメージ)に、構築の確からしさと品質保証の観点からのエビデンスを取得するように作業指示を出して、それぞれのグループでやり方はお任せしたんですが、これがまた全く違う結果になるとは。
ワタシの要求は、次の2点。「こんなエビデンスが必要なの?」と思うかもしれないけれど、顧客の要求で納入しないといけないから仕方がない。契約に基づくお仕事ですから。
何も画面のクリーンショット、所謂、「スクショを取ってね。」なんて具体的な要求はしません。ただ、楽には済ませて欲しいから、構成情報が抜けるならそれと設計情報を比較するとか、ほぼ同一の構成のサーバなら「構成情報を比較して違いが想定どおりとなる、としてもいいんですよ。」と「エビデンスの取得はスクショばっかりじゃないよ!」と考えて貰ったら、こんなんでました。便宜上、2つのグループをAグループ、Bグループとしておきますね。
Aグループのエビデンスの取得方法
項目 | 構築のエビデンス | 機能実装のエビデンス |
エビデンスの取得方法 | スクショ | スクショ |
事象 | 構築手順のどこでエビデンスを取得するか明記されておらず作業担当者任せ。・エビデンスの格納手順が作業者任せ。 | スクショを取るタイミング、対象が曖昧。 |
Bグループのエビデンスの取得方法
項目 | 構築のエビデンス | 機能実装のエビデンス |
エビデンスの取得方法 | ・構成ファイルの取得・スクショ(保険) | ・構築時の構成ファイルとスクショのコンペア・構成が同一サーバの構成ファイルのコンペア |
事象 | 構築手順のどこでどの画面を取得するか明確に記載しており担当者の作業で差異が出ない。・エビデンスの確報手順が定義されている。 | スクショを取るタイミング、対象が曖昧。 |
なぜグループでエビデンスの取得方法が違うとわかったか
嘘のようだけど、同じようなチームでグループが違うとまったく違うやり方になるなんて。2つのグループとも同じプロジェクトルームで作業をしていたのに情報交換もしていなかった。いや、後から聞いたらBチームはAチームにそれじゃ大変だよ、って言っていたらしいけど。
じゃあ、何時わかったかというと、作業指示の3番目の繰り返し作業の作業見積もりでAチームは1回経験しているのに作業見積もりの時間が変わらなかったから「なんかおかしいぞ?」って思って「どうやっているの?」と手順をインタビューしたら、「そうだったんだー。」とわかった。他にも手間のかかる作業の組み方をしていたのがもっとあったけれど……。
Bグループの方が構成ファイルのコンペアとスクショと2つ取っているけれど、メインは構成ファイルのコンペアなんですよね。だから、excelでもスクリプトでもツールを使って機械的に差異を知ることが出来るわけです。スクショは、保険であるのとBグループがあとでサーバのあるデータセンタまで行かなくても設定画面を疑似的に覗くために取っていたとのことです。
一方、Aグループは、グループのメンバが最適に考えて、必要なものすべてエビデンスとして取ってくれると思っていたらしい。そんなことあるわけないじゃないなんて誰もわかりそうなのに。
インタビューの後、BグループにはAグループの作業方法を改善してもらったんです。Bグループのように、同じ作業でも作業担当者がいかに楽をしたいかを考えてくれると楽ちんツールをつくったり、作業を最小化することを考えてくれるんですけど、全員がそうじゃないといことを身を持って学んだケースでした。
想像つくと思いますが、作業品質、品質保証の観点で質の高い(=間違いが少ない)方は、Bチームでした。Aチームは間違いが多くて品質を確保するまでが大変だったですね。