コミュニケーションなんて「認めて」と「頂戴」なんだから何を認めて欲しいのか、何が欲しいのかもう少し気持ちを話そうよ

ワタシもたぶん何度となくコミュニケーションについてブログを書いているけれど、最近は「コミュニケーション=意思疎通」と言っています。当たり前ですけどね、コミュニケーションは一人では成立しないものです。必ず先方様がいらっしゃる。こちらとしては、先方様と是が非でもこちらの思いなり、先方様の考えを知りたい、という動機があってコンタクトを図るわけです。ところがその動機というか本質がわかっていないから試行錯誤というか体当たりというか、実際のコンタクトをする場になるとすべてを忘れて無我の境地でアタックするというか。



所詮、「認めて!」と「寄越せ!」
突き詰めればコミュニケーションなんて、たかが「認めて。」と「寄越せ。」です。

このタスクをやってアウトプットをください。
仕様を検討したいので情報を提供してください。
設計書を作成したので承認してください。
開発するので環境を提供してください。
テストをするので端末を提供してください。
テストを終えたので確認してください。


「寄越せ。」は「ちょうだい」でもいいですね。あなたが作ったものをこちらに引き渡してください、ということですし。「認めて」は、あなたからの依頼のものを作ったので「了承してください」だし。


こうしてみると、コミュニケーションは相互で交わすものですけど、トリガーを掛ける方に何らかの意思があるわけです。それが「寄越せ」だし「認めて」なんですよね。


面倒くさい交渉も所詮「頂戴」
これも以前ブログで書きましたが、もうずっと前のプロジェクトでパッケージの技術サポートがひどくてプロジェクトの進捗に深刻な影響を及ぼす気配が滲み始めて、「これではアカン!」とパッケージベンダにどうやって技術サポートをまともにしてもらおうかと考えました。


簡単に言えば、パッケージベンダの技術サポートを如何にまとも、問題の深刻度に応じたTATで返ってくるようにしてもらえるか、を。


このときに役に立ったのは、以前に読んでいたハーバード・ビジネス・エッセンシャルズ〈5〉交渉力です。


交渉は目的をしっかりと据えてブラさないことが肝心です。そして、理論的にも。決して自分の感情に振り回されてはいけない。それを第一にとってもエライ人の伝を使って申し入れしたり、担当者ベースで面識を持ってパッケージベンダ側の技術サポートに問題があることを共有したり、最終的には先方の責任者に対して要求を「厳選」して申し入れしたり。


こうした交渉は「何か特別な術があるのかなぁ。」なんてやる前は思っていたけど、実際にやってみたらとっても「シンプル」なことだったことがわかったです。


このケースではこちらが期待していることをひとつだけ申し伝えて、先方が何が出来るかを考えてくれたんですね。こちらもあれもこれもと欲張らなかったし、要求の軸をぶれさせないようにしていたのが双方に妥協点を見出すのによかったのかもしれません。


ここでもこちらからパッケージベンダへは一つの「頂戴!」だけを伝えています。その途中でパッケージベンダの技術サポートの現状を客観的な情報を共有して「認めて」もらったんですが。


こういったこともふりかってみると、コミュニケーションは何かをして欲しい側が「意思を持って働きかけをしないといけないんだよねぇ。」ということを改めて思うことです。それが不十分だから、あーだこーだともめるわけで。その不十分さはいつでもおきるのでいくつになっても気を付けなきゃなー、なんて思います。