長いWBSが守られないのは夏休みの宿題で十分経験しているのに


みんなも2週間前になると慌てはじめたよね?
日本の小中学校の教育を受けたことがある人なら誰でもクラスの中に何人かは夏休みの終わり間近になって慌てて手を付ける友人を見たことがあると思う。いや、見たというか、その本人かもしれないし、どっちかと言えばワタシもその当時は間際の、大体2週間前くらいから「やべー!!(汗汗」みたいなことになっていたので、今日なんて、焦り始めるにはちょうど良い日和なのではないかと思います。


当家の子どもさんにはさすがに同じ轍を踏ませるのはいかがと思い、お盆前に残作業の確認といつまでに終わらすつもりでいるのかのヒヤリングを経て、課題完了の目標日を半ば強制的に指定し、終わるようにプレッシャを掛けてみましたが希望納期の2-3割遅れ、ぐらいの進捗っぽいです。


長いWBSには終わらす意思が感じられない
プロジェクトに必要なWBSネタは過去に何度か書いてきましたが、その中で多分書いていたと思うけどWBSの開始日から完了日は最長で「5日」を目途とした方がいいです。


最近の早い開発においては、WBSは理想時間で見積り、進捗をトレースするのが基本ですからそうした場合は開始日と完了日は同日の「1日」になることが多いと思うし、同じ日にいくつかのWBSが完了することになりますね。


従来のウォーターフォールの開発において、何となくで着手できそうな日を開始日に、何もかもすべてが終わってほしい納期ギリギリを設定する完了日を設定しているWBSを見掛けると、何とも不安な気持ちになってしまうのは、「いつに終わらそう」という意思が感じられないからです。


期間が長ければそれだけ管理コストが必要になることをわかっているのかしら
期間の長いWBSは、その長さゆえ、開始日から完了日の間、ずっとトレースされなければなりません。だって、進捗は確認して、較差があれば対策を打つものですから。例えば、5日間の作業と10日間の作業とあるとすれば、10日間の作業にかかる進捗の確認は倍のコストが掛かるわけです。それってそれでいいの?って話です。


あと、長い場合いくつもの作業をまとめているか、何を作ればいいかわからないけれどこのくらい必要かも、という長い理由がある場合とわかっていないけど雰囲気で期間を引っ張っているケースがあって、大体、後者は着手してから作業を詳細化するから10日で終わらないほど膨らむケースが多いです。


で、長いWBSをそれだけ担当していることもなくて、いくつもWBSを並行で走らすことになるから、結局、完了日の早いものから手を付けることになるわけです。で、一番最後に残ったのが長い期間のWBSだったりするとまったく着手できていないことに気づいて焦ったり、と。


そうしたことが無いように、だって10日間のWBSと言えば相当な作業量ですからね、放っておけないですから。だからこそ、うるさくトレースしないといけないのにWBSを設定した側も一緒になって夏休みを、じゃない、完了日直前まで謳歌するだけして完了日直前に絶望するわけです。


長いWBSと夏休みの課題と違うところは、友達に見せてもらうことができないんですよ、WBSのアウトプットは。


だから、どんなに長くてもWBSは5日まで。でも、5日でも中のプロセスは定義しておくこと。調整して、資料書いて、内部レビューして、外部レビューを受けて、直して、提出して終わり、とか。


わずらわしいし、子どもじゃないんだから、なんて思わないこと。誰だって、課題は先送りするんです。だから、どこまで進んでいるの?を毎日聞きましょう。で、終わった、という事実を確認してあげることです。