チークラ(チームクラッシュ)を見つけるには
サークラならぬ、チークラことチームクラッシュはどうすれば起きるのだろう。又は、チークラの予兆は何から見つければよいのだろう。
「チークラ」。自分ではチームクラッシュなんだけど、グーグル先生にお尋ねすると画像検索は「チーズとクラッカー」か「お笑い芸人」みたい。いや、お笑い芸人は知らんなー。
とあるプロジェクトの進捗が捗々しくなくて、忙しい先方の時間を貰って実態を把握しにいそいそとお伺いすることに。だって、プロジェクトのレポートを読んでみたら「ヤバイ」感ハンパないんだもの。
ただ、そのプロジェクトのメンバの顔ぶれを聞いたときに「良くも有識者を集めたものだ。」と思ったし、それを聞いたとき思わずそのまま口から脳内のつぶやきが出たんです。他のケースと比較すると有識者入るけれどちょっとレベルが下がるというか普通と言うか。でもそれでも有識者だし、手は動くし、なのですよねー。
事前にレポートを読んで予備知識は持っていたので、いきなり状況把握に突入することに。そのインタビューでわかったことは、
- チームの人数は片手くらい。
- メンバは有識者だしスキルセットは十分持っている。
- 他のプロジェクトとの都合上、専任が少ない。
- プロジェクトルームは閉鎖空間である。
- 方式の検証で想定外のトラブルが長引いている。
ですと。これは拙いパターンです。「最悪、どこかでチームがクラッシュするかもしれない。」と正直、そう思ったです。何を聞いてそう思ったかと言えば、2つのコトを掛け合わせた条件を想像して、です。それは、
「他のプロジェクトとの都合上、専任が少ない。」 と 「プロジェクトルームは閉鎖空間である。」 の2つ。
「他のプロジェクトとの都合上、専任が少ない。」だけならまだ手は打つことが出来るでしょう。「プロジェクトルームは閉鎖空間である。」だけれであれば、それもまた手を打つことが出来るでしょう。
「他のプロジェクトとの都合上、専任が少ない。」だけであれば、いかにメンバが夫々保持する情報を同期するか、そのしくみ作りとトレースに時間を割いていけばいいのですし、「プロジェクトルームは閉鎖空間である。」だけであれば、メンバが全員同じ場所にいるのだから外部情報が必要にならない限り、その隔離されたプロジェクトルームでチーム運営を営むことができるので環境に限って言えば問題がないのですよね。
ただ、その2つがつながったときに、チームにマイナスのリスクと言う災いをもたらす、かもしれないんです。
ワタシが想定したのはこういうことです。
1.専任が少ない = 兼任が多い
↓
2.専任とのメンバと兼任のメンバはプロジェクトにかけられる時間の差異が生じるために、結果、情報の較差が生じる
↓
3.閉鎖空間なので兼任のメンバは外からプロジェクトの情報を得られない = 専任のメンバから兼任のメンバに情報を共有できない
↓
4.常駐している専任メンバに自然と急ぎのタスクが集中する
↓
5.兼任のメンバがプロジェクトルームに入ると情報収集をするので専任のメンバに負担がかかる
↓
6.急ぎの仕事が滞る
インタビューして事情を聴いてみたら、イコールではなかったですが要は想定したことがほぼ起きていました。一つひとつのことを分解していけば、チーム編成に起因しないものもありますけど、傍目にはチーム編成が原因であると見えて仕舞いかねないんです。これは望むところではないですからチームを預かるプロジェクトマネージャはしんどいです。
他にもチークラの原因となるものがあるかもしれませんが、この
「他のプロジェクトとの都合上、専任が少ない。」 と 「プロジェクトルームは閉鎖空間である。」
がチームに存在したら「チークラの可能性が高い」と思った方がいいです。