名前は今思いついたんだけど、文書を書くにはペアライティングがお勧め

文書の書き方、例えば、文章の構成、文章の長さ、語調、言葉の選択などなど文書を書くだけなのに実は多くの技術が必要なのではないか、と思うのです。それは、何度も赤ペン先生をしても文書を書く技術が向上しない人はしない、という現実を多く見てきたら。でもね、ワタシは特別上手に文書を掛けるわけでもないと思っているのはワタシより上手に文書を作成する人を沢山見てきたら。

「その観点で書く発想はなかったなぁ。」


なんていうのもまだまだ良くあることです。とは言え諦めるかというと「そうしましょうか。」とも言いたくないのは、もし文書作成の技量が今一つの人が一人でもいてそれも一緒のプロジェクトとか部下にいると一緒の期間はその人の文書を必ず目に入れることになるし、部下なら書く技術を身に付けさせないといけないから。


お詫びのレポートを書くときのこと
とあるプロジェクトでトラブルを起こしまして、はい。トラブルを起こせば、事象の確認とログの保全と原因の追及と対処と報告をせねばなりません。まぁ、いつものパターンと言えばそうなので様式美のようなもの、とも言えますが、いつもと言っても毎日トラブルを起こしているわけではありませんので。


普段は、メンバに事象や解析結果や対策などをまとめてもらったドラフトを印刷してもらって赤書きを入れて直してもらったりするのですが、そのときは何せ時間に迫られていたので「それじゃ無理だなー。」と思ったので、直接ファイルを貰って修正するというか編集することにしたんです。


こうしたトラブルの報告書を作成する経験はそうそうないですよね。だって、トラブル起こさないと書く必要がないし、書く立場にいないとドラフトでさえ書く機会が無いんだもの。だから貴重な経験の場なんですよね。でそのとき、

ペアプログラミングならぬペアライティング(いま名前考えた)すればよいのでは?」


と思いついたわけです。なので、そのトラブルを起こしたリーダに声掛けて「おいでおいで。」して、横に座ってもらって。

「トラブル報告書つくるよ。」
「はい。すみません。」
「いやいや、謝るならお客さんに、だし。謝り侍はワタシの仕事だし。取らんといて。」
「で、せっかくなので一緒に作ろう。文章がおかしかったり、技術的にウソだったらツッコンで。」
「はい。」
「じゃあ、タイトルは『本番環境での監視メッセージの通知について』かな。とりあえず。」
「で、事象はこの作業でいいのかな。今日の、11時の、この作業だっけ。作業申請番号は…、作業名は『○○システムの開発環境のシステム変更作業』だね。」
「はい。」
「じゃあ、時系列に経緯を書きたいんだけど。それは、このファイルの…ここのかな。」
「いえ、別の添付ファイルがいいです。ログから拾っているので。」
「お、そうなんだ。どれ、はいはい、じゃあ、申請作業の項目をコピペして…。」
「そうそう、先に言っておかないといけなかった。ワタシが収集してもらったトラブルのデータをまとめて報告書を書くので、書き方を覚えてね。で、構成なんだけど、『標題、事象、時系列の経緯、原因、対策、補足』にします。」
「まだ、トラブルの原因まで解明していないんですが。」
「こういったのは、早ければ早いほど情報を共有するのがいいので、タイミングに間に合えば入れ込むことにしようか。で、間に合わなければ『調査中』にしておこうか。」
「じゃあ、続きに戻ろうね。」
「経緯のネタは、ログからの抽出データはこれだっけ。とりあえずガバッと貼って。あとは標題だけにして、っと。」
「どうして口頭で説明しながら作業するのですか。」
「だって、ワタシの思考がわからないとただ見ているだけになっちゃうじゃん。だから、実況しているんだよ。」
「そうなんですか。」
「で、と。ちょっとこのログの、教えて。」
「これはここを見ると時間が。並びのがログメッセージです。だから、これが申請書のこの作業で、次のメッセージがこれで、その次のメッセージが……、あれ、これ何したんだろう。これは…申請の作業と違うんじゃ…。」
「ふむふむ、それじゃそのあたりがアヤシイのかな。ちょっと、メンバに電話してそのとき何やったか『事実だけ』教えてもらって。」
「はい。『あー、お疲れ様です。例のトラブルの件だけどちょっと教えてください。そうそう、やったこと、起きたこと』の事実だけで。(……)なるほど、それやったんですか、コマンドは…なるほど。で、メッセージがでた、と。あ、わかりました、ありがとうございます。また何かあったら電話します。」
「…ということをやったとのことです。」
「じゃあ、ここは○○作業で△△を確認してから□□のコマンドを打つところを環境を確認せずに◆◆と打鍵したからなんだね。じゃあっと、『本件のトラブルの直接の原因は、作業申請で記載のとおり作業を進めておりましたが、作業手順の○○作業で…で、じゃないな、において、作業環境を確認してから操作するところを…』と言う感じに書いたけど、どう。」
「えーっと、はい、いいです。」
「いや、それでいいんだけど、次はこのレベルで書いて欲しいだけど。そのつもりで考えて理解して言ってる?」
「じゃないと、ペアライティングにならないし、そうじゃないと一緒にやる意味がないから。」


ペアライティングのいいところは、思考がダダ漏れじゃない、思考を言語化するので横にいる人が何を考えて文書を組み立てるかそのプロセスがわかるとこです。なぜ多くの言葉があるところで「その」言葉を選んだか。


もう一つ、思考を声を出してタイプすると若干タイプのスピードは落ちますけど「てにをは」とか、文脈の不整合とか、無言で書いたときに気付かないことを自ら違和感を耳から感じることが出来る、でしょう。


お試しください。