ひとり妄想的ブレインストーミング

本来ブレインストーミングはチームやタスクフォースなどの複数の関係者により集団的な発想をする場を提供する手法です。関係者を集め現状策の延長線上から外れるような思い付きや思考から全く別の、いわば現状を破壊するような案を期待して生み出すのです。


このブレインストーミングって割と使う機会が無いと思いませんか。


そう思います?やっぱり?そうですよね、ないですよね。へーないんだ。ワタシ、一人で妄想的にブレストやってますけど。えっ?一人で妄想しているなんて危ない人みたいだって?大丈夫ですよ、だって妄想は脳内ですから脳内の声が漏れない限り誰にも知られることはないから。はい。


ところで、ブレインストーミングって現状を破壊するようなときだけ使う手法なのでしょうか。ワタシは違うと思います。普段使いしてこそのブレインストーミングなのだと思っています。


どういうことかと言うと、プロジェクトなら開発プロセスとか事務手続きのような日々の定型業務、規定に紐づくマネジメントプロセスなどなど、現状ルールや運用で決めているしくみをそれこそ

「日常の中で改善する」


と言う視点で見るために、です。こうした視点を持ってタスクを処理していると、好き嫌いは棚に上げてタスクの冗長、無理、ムラ、不整合などなどが浮き出てくることを認識出来るのです。こうした視点は何もプロセス改善ばかりに適用する必要もありません。設計途中のシステムデザインでもインプットのデータをリポジトリに更新するときの状態遷移でも生かすことができます。


ひとりで妄想的にブレインストーミングをするにしてもいくつかのテーマがあります。これを押さえておかないとただの思い付きになってしまうので順番は好き好きでよいですが、スタンプラリーのごとくテーマを全部押さえておきましょう。


価値を棄損している問題を探す
闇雲に探すのは労あって益なし、です。不格好でも価値を生み出しているなら現状はそのままでもいいですし、その不格好を洗練するのは先送りしておきましょう。どっちかと言うと、1か所だけ頑張って洗練してしまうと他のとのギャップが広がって二次被害を産むこともあるのでそこまで面倒を見るかを考えながら進めた方が良いです。


それよりも優先して見つけたいのは価値を産まない、失う行為を探す視点です。バカにできないのは帳票の転記のような一見些細なものです。転記によって転記ミスを産むような問題のあるプロセスであれば転記をしなくて済むプロセスを実現する可能性を考えた方が良いです。


方陣を使う
脳内に黒の背景に蛍光ピンクの魔方陣をかたちどり、自分は魔法使いだからと言い聞かせてこのままでは導かれてしまう世界のなれの果ての中心地となる仕事場で起きてしまうことを想像するのです。


そしてその発端は日経新聞の1面の新聞タイトルの左にある小さいトピック記事の、それも飛ばし記事だったと想像するのです。それが実現したら何が起きるかを予見するのです。


キャラを入れ替える
トイレに行って出てきたところで誰かとすれ違ったら、その人になり切ってその入れ替わった人の視点で問題について考えるのです。このキャラの入れ替わりは中々面白いですよ。顔見知りならその人の価値観で、ほとんど面識のない人なら想像してみましょう。


第三者が先に価値を棄損している状態を見付けたら
それがエライ役員なら改善を求めるでしょうし、監査部門なら改善勧告を出すでしょう。どっちにしても価値を棄損している状態は放置されないのです。ですから、そうですね。無責任に無慈悲に勧告するコンサルタントになった視点で問題についてそれが本当に問題なのかを見てみましょう。


これらの視点を次々に切り替えて価値を棄損しているだろう問題とその改善案について突っ込んでいきます。それを一人で、脳内で。特に改善案を突っ込むと、まったくもって練れていないことがわかります。なので、価値を棄損している問題があってもすぐに騒ぐより、問題があることをまず共有するか、一晩おいてその価値を棄損している問題の解決案をちょっとだけ洗練して強度をあげてからでも遅くないのと思います。ただし、人命とお金に関わらない範疇で、ですが。