目標管理での自己申告はこう書いて欲しい


1月開始の会計年度の組織ならそろそろ業績評価時期だったりするし、4月から始まる会計年度の組織なら、あと一四半期ちょっとを残すばかりですね。


さて、みなさんの準備状況はどうでしょうか。自己評価をする制度の場合、なんとなく「今年も忙しかったなー、頑張ったなー。」なんて根拠で自己申告されても全く相手にされないので注意した方が良いと思いますよ。


目標管理制度では、その目標を定量的に設定した上でメンバとマネージャが合意し、評価時には定量的に目標達成をしていることを評価することが基本的な考え方だと思っています。だから、ワタシと目標を合意する場合、定量的な目標となっているかが1つのポイントです。


ですから、定性的な目標ばかりだと基本的に再考を求めます。そうでなければ業績評価時に評価を受ける側の納得感がないからです。ただ、定量的な目標設定をしていないメンバ側に定量的な目標を設定していないことが原因であることを見逃してはいけません。


それでは、業績評価時の自己申告が出来る場合、申告者はどのように記述するのが良いのでしょうか。


自己申告は定量的に記述する
答えは簡単です。定量的な目標を設定している場合、定量的な成果を具体的な実績をもとに数値を含め簡潔に記述してください。これでまずは目標クリア、です。つまり、プラスもマイナスもない、ということです。


では、プラスに評価をしてもらうためにはどうしたらいいのでしょうか。ワタシなら、こんな風に書いて欲しいです。それは目標を達成するために工夫したこと、カイゼンしたことをアピールして欲しいです。例えば作業を自動化して、当初計画と自働化のコストを差し引きして3人月削減した、とか。


アドバンテージを記述する
なぜ、目標を達成しているのにさらにアドバンテージのアピールが必要になるのでしょうか。さらに、具体的な貢献を記述する必要があるのでしょうか。


目標管理制度だろうがなんだろうが、評価とは人の順位づけだからです。つまり、相対評価をするということです。マネージャからみたら、配下のメンバには評価グループに応じた目標を設定しているのでそのグループに属するメンバはあるバンドの中で評価ポイントの取り合いをしていることになります。もちろん、どのメンバも評価はされたいと思うのは自然ですが、実際に評価を受けるための活動をするかしないかはその人の評価に対する思い入れに依存します。


もちろん、マネージャならメンバ全員に対して目標を達成するように促すのは当然の行為で、マネージャからすれば全員が目標を達成すると期待しています。評価される側のメンバから見れば、他のメンバが目標を達成するように努力をするかしないかは制御が出来ない範囲になりますから、メンバ自身のできること、つまり自分自身の目標を如何に達成するかを考える他ないわけです。


アドバンテージはあなたを高く評価するエビデンス
メンバがマネージャにその結果を評価させるのがアドバンテージ、なんですよ。メンバからしたら自分の上司のマネージャに対してアピールするためにアドバンテージを書いて申告するんですが、そのアドバンテージを工夫やカイゼンで具体的な効果を示しておくもう一つの理由があります。


それは、あなたを高く評価したことをあなたのマネージャが説明を求められたときに事実に基づく理由が必要だからです。それが、工夫やカイゼンなどのアドバンテージなのです。


目標が達成できなかった場合
とは言え、すべての目標をクリアしたり、アドバンテージを持てるような実績を作るのは難しいものです。そうした目標が達成できなかった場合はどう記述したらよいのでしょうか。


ヤッパリ事実に、実績に基づいてきちんと記述することが大事だと思います。ただ、馬鹿正直に自分から評価を下げる必要はないです。ということは、上手に表現するのです。言い訳を書くのではなくて、こういった原因があったから、と。で、その目標を達成できなかったけれどどのようにリカバリを試みたかも記述してください。責任をもってやり抜こうとしたと。
でも、その原因が自分にあるなら他責にしてはいけませんよ。


評価の手の内を明かしていいの
ワタシは目標を設定するときに、こうした観点を説明いるので問題ないんです。ただ、目標自体はメンバ一人ひとり違いますし、求める達成レベルも違いますから評価のしくみを作っています。それは、自分がどう評価したか思考の記録になるし、ワタシが感情で評価していないことを自己評価するため、でもあります。なので書いても問題ないのです。



とは言え……
業績評価をする側のすべてのマネージャが同じような考えでメンバを評価しているかと言えば……。