プロジェクトに新規参入者するメンバの受け入れ −立ち上げ時にあるもの・ないもの−

前回のおさらいは プロジェクトに新規参入者するメンバの受け入れ −プロジェクトに関わるときの3つのパターン− のようにプロジェクトにメンバが関わる形態は3つある、というものでした。

表2

項番 パターン 説明 時間性 情報性 関係性
1 プロジェクト立ち上げ時の参画 プロジェクトを立ち上げる最初の時期からメンバとして参画する。 最大 最大 立ち上げ時の関係性の構築による
2 プロジェクト途中からの参画 プロジェクトがすでにスタートし途中から参画する。途中参画する工程は問わない。 参画以降のみ 参画以後。参画以前をすべて知ることは難しい すでに出来上がっているプロジェクトの関係の中で構成する必要がある
3 プロジェクトからの離脱 プロジェクトから離れる。時期は問わない。 n/a 参画期間のみの情報を持っている n/a


プロジェクトに関わる3つのパターンのでは、プロジェクトへの関わり方に違いがあるのでしょうか。違いがあるとすれば、それは一体どのようなことがあるのでしょうか。


プロジェクトの立ち上げ時期から参画するときにあるものないもの
1つ目のパターンは、プロジェクトの立ち上げ時期から参画する、と言うパターンです。いわゆる、初期メンバと言うヤツですね。


この「プロジェクトの立ち上げ時期」のプロジェクトの状況を考えて、それを踏まえて考慮しておいたほうがよい事項があるか・ないか考えることにします。それでは、次の問題に答えてください。

問題 プロジェクト初期にあるもの・ないものを挙げてください。


こうした漠とした問題には、適当なカテゴリで仮枠を置いて思考すると具体的なイメージを得やすいと思います。例えば、プロジェクトに関することですから、「人物金」や「時間」という枠の中と外で考えてみます。

表3

カテゴリ 立ち上げ時に「ある」 立ち上げ時に「ない」
時間


どうでしょうか。何項目くらい出すことができましたか。こうした漠とした問題はブレストみたいなものですから、短時間で思い付いたことを沢山だせた方がよいです。


下表に思いついたことを書き出してみました。

表4

カテゴリ 立ち上げ時に「ある」 立ち上げ時に「ない」
初期メンバ 追加メンバ
メンバ間の関係
契約書・提案書
提案した技術手法
ノウハウ
成果物・中間作成物
プロジェクトに関する暗黙知
ノウハウ
開発チームの運用ルール
計画予算 残り予算
時間 契約期間 残存時間


どうでしょう。「物」の項目が多いことがわかりますね。これらの「人物金」「時間」をつなげてみます。

表5

「プロジェクトメンバが集まり無の関係から」
「契約に関することをインプットに」
「計画予算をもとに」
「契約期間をもって」
プロジェクトを開始する
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プロジェクトが進むと、下表のように対比できます。

表6

プロジェクト立ち上げ時 プロジェクト進行中
「プロジェクトメンバが集まり無の関係から」
「契約に関することをインプットに」
「計画予算をもとに」
「契約期間をもって」
プロジェクトを開始する
「プロジェクトメンバが関係を育て」
「インプットをもとに成果物を作成し」
「計画予算を費やし」
「契約期間を費やし」
プロジェクトを遂行する


この関係性から導かれるものには何があるでしょうか。