新しい手法を導入することより、変えることを続けることの方に価値がある


XP祭り2015、今年も行ってきました。


今回はただ行っただけじゃなくて、周りの人を誘ってみました。反応はそれぞれでしたが、講演の幕間で「やってみたいことがある!」と目をキラキラさせて言っていたのが印象的でした。


一緒に行った人達の興味深かい反応に、年齢が若いほど目を爛々と輝かせていたことです。システムエンジニアの経験が純粋な好奇心を曇らせてしまうのか、それとも経験知を得ることで「やってみたいこと」を実現するためには様々なハードルを乗り越えないといけないことを知っているからなのかしら。


このイベントは、協賛されている出版社から献本いただいた本を一番最後のイベントのLT祭り(1時間で12本!)のあとに、講演者、参加経験数の少ない人から希望する本を分けてもらえるというなんともお財布に優しいプレゼントタイムがあります。


お目当てがあるとどれを選ぶかより自分の番でどれが残っているかに掛かっているのですが、それでも本を献本いただいてそれを読む機会は貴重です。選ぶときに出たばかりの本を選ぶかそれとも気になっていた本を手に入れられるか。いずれにしても本を手に入れることで新しい知識なり、本の知識で経験知を整理する成できる機会が「外から」働きかけてくるきっかけをうまく使いたいですね。


ちなみに、献本いただいたらインターネット上で書評を書くという義務があります。ワタシは以前にこんな書評を残しています。


少し顔見知りもいるのでお話をしていると、こういったイベントに来られる方の多くにプロジェクト上の悩みを持たれている人が多いということ。それも、技術的なことよりチーム運営とか組織論的なもの方が多いように感じました。


例えば、今までのやり方にスピードを持たせたいのでアジャイルの手法を取り入れたいのに誰も賛同してくれなくて、理由を聞くと現状を変えたくないという意見がある、とかそういったどちらかと言うと上手くいっていようがそうでないに関係なく現状を変えたくないというケースです。


そういった悩みを聞きつつも「じゃあ、手法を取り入れたら何か解決するのかな」と思いながら聞いていましたけど。そこには変えたいという人と現状維持を願う人との間に共通のこと、特に変えたいという人が課題と思っている「こと」を現状維持の人に共有できていないところの方が問題のカモと思ったり。


手法は目的じゃないから、手法を前面に出すとアレルギー反応を起こす人もいるんですよね。余計なことをしないで!って。そう言う面では何かを変える場合のアプローチは大事なんですよね。ソフトランディングできないなら黒船来襲くらいの変えないと退路がない状態をつくらないと。


もう一つ、手段があったとしてそれを誰もが使えるかどうかはまったくもって別の話です。何かを変えるための問題提起をするタイミングからそこも含めてケアが必要になるのでそれはそれなりに手間暇が掛かることは覚悟が必要です。誰がやるかは別にして。


こうした悩みは当事者とその人たちがいる文化が夫々違いますから「これをやればうまくいく」という正解がないんです。あるのは変えたあとの定着による得られるものがあるかもしれない、という未来の可能性だけです。


それでも悩みを持たれている人は、変え続けることを試し続けるそのこと自体に価値があることを発見するのが一番の答えな様な気がします。