ゴールとシナリオプランニングで課題を解決する


地域活動をしているのですが、あるテーマの委員会を新規に立ち上げ、どうにかこうにかそれぞれの委員の考えは全体として纏まってきたところで、1つの課題が。


その上位委員会もあって、そっちで全体の予算を管理・執行許可を出すしくみになっています。これは上位委員会が許可を出している以上、下位委員会の予算も大枠的には管理していることを意味しています。


ここで何が課題かというと、新規に立ち上げた委員会は新規であるからこそ、それまで予算を持っておらず当年はもちろん、翌年以降も予算の確保と活動に費やす予算の執行をした要求があるということです。


つまり、上位委員会からみたら新たなキャッシュアウトが発生するということを意味しています。これはこれまで安定していたキャッシュフローを幾分かマイナスにするということです。


こうした事態を新規の委員会のメンバは誰も気にせず、活動に必要と思ったものは際限なく且つ計画性なく並べて要求を上げようとする雰囲気丸出しで進めようとしていたのです。


それに気づいたので上位委員会の各委員に対し、新規にキャッシュアウトが発生する前提とする場合、会員からの会費徴収時期と定常的にキャッシュアウトする固定費の関係をアバウトでいいから説明を会計担当に説明を求めたところ、やっぱり会費徴収直前はノーケアではいけないことが判明したわけで。


上位委員会としては新規委員会の予算と執行で赤字にするわけにはいかないのは当然とすると、ただ一方的にキャッシュアウトを認めることはまかりならなくなるのですが、そうすると下位委員会は活動に支障が出てくることになる。


打開策は、通常予算の中で予算は確保しているけれど執行されない予算項目を見つけることと、別の収入を見つけることです。で、それを両方併せる、且つ、下位委員会の予算の枠を嵌めてしまうことです。


ここからが本題です。それでは、どのようにこの課題の解決に向け話を持っていくか。


・ゴールを設定してください。
・課題解決に向け、シナリオをプランニングしてください。


課題のゴール設定
この課題のゴールは、上位委員会が管理・執行許可する予算を赤字にしないことです。厳密に言えば、今の上位委員会の判断として予算を目減りさせないシーリング枠を設けることです。


将来、委員会の予算が赤字に陥ったらそうした枠組みを作って承認した委員会のメンバも批判されるでしょう。それの解決策は予算削減と会費の値上げしか手段がありません。


であれば、最初からコストがオーバーランしないようにシーリングすることを基本方針として先に根付かせてしまうことです。


よって、この課題のゴールは下位委員会の予算にシーリング枠を設けることです。


課題解決のためのシナリオプランニング
この課題の解決を突然下位委員会に持っていても予算と執行実績の見通し、つまり期中のキャッシュの出し入れでの預金の状況を理解させることが必要になります。


さらに、一方的に予算を確保して執行してしまうと近い将来、それもあっという間に預金が期中に底をつき、黒字倒産になってしまう可能性があり、それの片棒を現下位委員会の委員が担ぐかもしれないと伝え、ブレーキをかけることです。


心理的に自分の責任で赤字にしたとは言われたくないと考えますから、そこを揺さぶります。


あとは影響力を持つキーパーソンに事前に情報を入れ、考える時間を与えておきます。それを伝える人も丁寧に下手に話せる人を人選します。


まぁ、根回しといえば根回しですが、キーパーソンにキャッシュフローのことと別の収入、例えば補助金などの手立ての可能性があれば下位委員会の活動資金の確保に余裕が出そうだ、と情報を与えておけば当事者がなんとかしようと考えるものです。


まとめ
整理すると、


・上位委員会で過去予算の執行状況を調べさせ裏をとり、コンセンサスを醸成する
・下位委員会のキーパーソンに事前に情報をソフトにインプットする
・下位委員会の会合で伝令役に仕立てた人に例の(=キャッシュフローの)話をしたかと冒頭にネタ振りをする
・下位委員会の委員同士で意見集約させる


と、ことを進め、結果、シナリオプランニングどおりシーリング枠をしっかりはめることができました。まる


地域活動をネタに書きましたが、お仕事、プロジェクトでも使えますよ。