コントローラブルでない情報下では、別の手段を選択するのがリスクコントロール


マネージャになると考えるのがメンバのスキルの把握とメンバの育成とビジネスプラン上の課題を見つけることです。そのためにスキルマップを作るのがワタシ自身がしたこともあって定石だと思っているのですが、そのことに触れたのは2014年10月のエントリ 組織の非効率は文化としての透明性に起因するかも です。


実際には、その10年前にやっていたことなのですっかりひと昔の話だと思って忘れていたのですが、このブログ スキルマップ作成のすすめ でスキルマップを取り上げられていたのでナツいなぁ、と。


事故事件とリスクコントロール
軽井沢スキーツアーのバスの事故とcoco壱番屋の破棄処分した食材が転売されていた事件と同時期に起きて、それがリスクの取り方としてとても対極的だなぁ、と。


スキルマップを作ろうと思った理由はそれぞれでしょうし使い方もそれぞれでしょうが、誰もが通る道なんだと思ったのでした。


特に気になったのは、リスクをどう捉え、対処するかしないかの判断に至ったか、ですね。それぞれの事故、事件で登場人物が違うし、起きていること(結果)は違うけれど、リスクをコントロールする点では共通項があるし、それはシステム開発でのリスクコントロールでも同じように適用できるんですよね。


TLやTVで見聞きしている範囲で一旦整理をしてみます。


スキーツアー事故の登場人物とリスクコントロールの有無
登場人物ごとのリスクに対するスタンスとそれぞれの立場でリスクを増減する可能性のある要因を一覧にしてみます。ここでのリスクは、安全と置き換えても結構です。

登場人物 消費者 スキーツアー企画会社 仲介業者 バス運行会社
リスクに対するスタンス リスク(安全)に対する情報は提供されないから価格でしか判断できない 安全に対する対策を求めることができる 同左 自主判断でリスクをコントロールできる
リスクを増減する要因 価格の選択 利益とリスクの選択 同左 同左


消費者に不利な情報の較差
問題とするなら、消費者が安全のことに対して知りたいと思っても、知る術がないという観点でしょうか。国交省から事故当日2日前にバス運行業者に対して行政指導が出ていたようですが、スキーツアー企画会社がフロントになっているので消費者は仮にバス運行業者を知ることがあったとしてもそれを確認できるのは当日に集合場所に行ってバスをみたとき、でしょう。


そのタイミングではバス運行業者しかいない可能性がある中で、行政指導を受けているからその場でキャンセルできるかどうかはなかなか難しそうです。ここでは情報の較差による不均衡があってそれは回避することは難題かもしれません。


ここで消費者がバスツアーしか選ばないとするならば、できる対策は安全対策に見合ったコストをかけて、且つ、価格に転化して提供されているツアー価格を購買時に選択するほかないのです。それが嫌なら、別の交通機関を使うこととレジャー保険をかけておくことです。


コントローラブル出ないもう一つの理由
ただ、これもリスク対策としては抜け穴があって、一覧の理数を増減する要因でスキーツアー企画会社からバス運行業者のそれぞれが安全対策にかかる費用とこの事業の収益状況を天秤にかけてどちらを選択するかわからないのです。


だから業務委託する際には、法令遵守や安全対策はしておけ、など一文入れて少なくとも契約上はこちらに責はないと言う環境を作っておくものです。そうもしないと東京地方裁判所に連れて行かれて多額の損害賠償を支払うこと必須でしょうから。


対極の判断をしたCoCo壱番屋
ココ壱番屋はその点、コストを掛けて廃棄物まで管理していたわけです。多分に、税務対策もあったのでしょうが。CoCo壱番屋においては、安全対策費は固定費で、且つ、従業員教育にコストをかけることも企業イメージのダウンと天秤にかけてリスク対策をとる判断をして実行しているということが伺えます。


脱線しますが気になったのは、バス運行業者は記者会見で身なりを整えて形式的には筋を通してきた一方、スキーツアー企画会社は、会社の通路の前で行き当たりばったりで準備せずにコメントしていた点です。バス運行業者は後ろに手慣れた人が居そうですね。