何に強いチームになりたいの

PM 「そろそろ現場に戻らないんですか。また一緒にやりましょうよ」
ワタシ「やらないわけじゃないよ。ほら、あのプロジェクトだって召喚されたからやったじゃない」
PM 「あのプロジェクトはちょっと壮絶でしたね。でも、あれから数年立ってますよ」
ワタシ「お声がかかればいつでも行くよ。プロジェクトマネージャが本職だからね」
PM 「それは頼もしいです。是非お願いします」
ワタシ「まぁ、バジェットがあればね」
PM 「まぁまぁ」

ワタシ「それでどうしたの、世間話しに来たの。歓迎するけど」
PM 「それ半分、ご意見半分ってところでしょうか」
ワタシ「それで」
PM 「メンターをやっている中堅のPMがいるんですけど」
ワタシ「誰だっけ」
PM 「ほら、やられていたプロジェクトで同じチームだった…」
ワタシ「ん、あ、あの人ね。いいんじゃない、いい経験させてもらっているなぁ」
PM 「そうなんですが、ちょっと、どうアドバイスしようかと思って」
ワタシ「メンターのあなたが悩んでいるのに聞かれてもなぁ」
PM 「そこをなにか」
ワタシ「第一、メンターはアドバイスしないものだし。それはメンターじゃないよ」
PM 「ほら、わたしのメンターやってもらっているんだからいいじゃないですか」
ワタシ「そうだっけ。忘れちゃったなぁ、そんなこと。それにメンターはアドバイスしないんだよ、重ねて言うけど」
PM 「後進育成だと思って」
ワタシ「それならいいけど、面倒臭いなぁ」

PM 「相変わらずですね、それでそのPMさん、チームがギクシャクしてどうしていいのか悩んでいるみたいで」
ワタシ「あなたはどうしたらいいと思っているの」
PM 「そうですね。コミュニケーションを増やすか、飲みに行くかなぁ」
ワタシ「割と昭和なコミュニケーション手段を選ぶね」
PM 「一番わかりやすいじゃないですか。飲むの。一緒に飲んで、一緒に話して」
ワタシ「全員参加したらね」
PM 「そうなんですよね。好きなメンバは好きなんだけど、飲み会も。今は来ないメンバもいるから」
ワタシ「そう言えばあのプロジェクト、自分から飲みに行こうなんて言ったことないんだよ」
PM 「え、でも飲み会しましたよね」
ワタシ「まぁね。だって飲みに行こうと上から降りてきたからね、メンバを労えって。労い方はいろいろあると思うんだけど、そういう労い方を好む人もいるってことだね」
PM 「それじゃチームとしては全然飲み会はなかったんですか」
ワタシ「いや、メンバ同士では行っていたみたいだよ」
PM 「誘われなかったんですか」
ワタシ「それも違う。誘われた。でも、遠慮した」
PM 「遠慮ですか」
ワタシ「向こうも気を使ってきたんだと思うんだよね。チームのPMがわたしに代わって、やり方も進め方も全部変えてしまったときだったから」
PM 「そんなときですか」
ワタシ「うれしいけどね、誘ってもらうことは。でもね、気の合う数人だったんだよね。そこだけ意思疎通ができてもしょうがない時期だったから」

PM 「それで」
ワタシ「チームが、メンバ全員が立ち上がるのが最優先事項だと思っていたから」
PM 「そうだったんですか」
ワタシ「そう。そのメンバがキーパーソンならもしかしたら行っても良かったのかもしれないけれど、それでも効果は限定的だしね。全員を立ち上げないといけなかったから」
PM 「じゃあ全員を立ち上げるためには」
ワタシ「メンバ全員が日々のプロセスを確実に実行できるようになることを最優先事項にね、そう思ってそっちの方にリソースを突っ込んだわけ」
PM 「そういうの、こうやりなさい、って言えばやってくれませんか」
ワタシ「強制は好きじゃないんだよ、ワタシが。全員が全員のルールとして理解して行動して欲しいんだよね」
PM 「全員のルールですか」
ワタシ「そう。もし誰もいなくて忙しいとつい手を抜いちゃおうと思うのも人情じゃない。でも、全員のルールだから自分から守る」
PM 「誰も見ていないところでもちゃんとやる、と」
ワタシ「そのメンターをやっているPMさんも、何を大事に考えて判断しているかメンバに伝えたらいいんじゃないかな」
PM 「あ、ありがとうございます。アドバイスいただきました」
ワタシ「つい言ってしまった」