新人SEがメモを取りばら撒く習慣をつけると20年経ってから自分を助ける


のに、自分を助けるのにしない人が多すぎる…。


「それで契約の内容と違うスコープの仕事を現場が勝手にしていた、と」
「そうなんですよ」
「それがわかったのはどの工程で」
「そうですね、もう最初のころから…かな」
「その事実がわかったのはいつ頃なの」
「半年くらい経ったころにメンバが体調を悪くしてクレームが入って」
「…聞きたいことは山ほどあるんだけど、さ。まぁいいや。それで今の状況はどうなっているの」
「プロジェクトですか」
「そっちもあるけど契約はどうなっているの」
「申し入れはしていますがどうにも勝手にやったとかメンバの管理がなっていないとか言われて」
「何言われていてもいいんだけどさ、こちらから何を申し入れたかエビデンスは残っているんだよね」
「どうかなぁ、営業がとっていると思うけど」
「1つ教えて欲しいんだけど、この問題を解決したい人は誰なのかな」
「僕も営業もです」
「質問を変える。誰がこの問題を解決するリーダーなの」
「…私です」
「わかった、そのつもりで話すので。で、契約、見積もり仕様書ね、それと現状の作業の違いってわかるように整理できているのかな」
「ええ、(PCを開いて)こんな風には整理しています」
「そうなんだ。ちょっと見せて。(こりゃひどい)プロジェクトが始まって半年くらいだっけ。ここまで放置ていたんだ。いや、今はそれはテーマじゃないからいいや。契約と実際に担当している作業のギャップをどうしたい」
「元の契約に戻さないとコストが悪化したままなので元に戻したい、です」
「もう一度聞くけど、そのために何をしてきたの」
「先月に一度、先方のリーダーの人に現状の問題を共有して修正してもらうように打ち合わせをしましたが」
「それで改善したの」
「いいえ」
「次は誰がいつ何をするの」
「今はまだ」
「その先月の申し入れしたメモは…少なくともあなたは取っていないんだっけ」
「自分のためのメモは取りましたよ」
「それ、打ち合わせメモの体にして営業から先方に送りつけて。そうそう、先方のマネージャには面識あるんだっけ」
「キックオフのときに一度会いましたが」
「じゃあメールのCCに入れて送ってしまえ」
「そうします」
「あとは次のミーティングをセットして。あなたの上も次は連れて行って先方のマネージャを引っ張り出して、事実確認と改善が必要だというコンセンサス作るようにシナリオを作って」
「みなさん忙しくてなかなか調整が」
「今一番優先してやらないといけないことをやって」
「そうですね。そうします」
「あと、現場には契約しようにないことは今日以降は新規ものはやらないことを厳命して」
「今までやってしまったことはどうしましょうか」
「これまで契約外の作業をやってしまったことのコストを計算して。費用請求をするつもりで。それ以上は営業と合意して決めて」
「はい…営業と連携ですね」
「あと、現場には作業依頼があったらすぐに引き受けないで契約の範疇か確認するようにと。ただ現状コストオーバーしているならバーターしないと受けられないと思うけど」
「現場でそれができれば…」
「それができないなら誰か別の人を立てるかあなたがそれをやることだよ」
「…」
「そうした交渉をできるために、後で精算できるためにもメモをとって先方の担当に送りつけることを徹底して。そうしないと誰も守れないことをあなた自身が理解して」