暗黙の前提を勝手におくと仕事を間違ってしまう
「こんど、規程に定義している用語の定義を変更することになったから修正作業をしてほしいいんだけど、今月中にできるかな」
こんなことを依頼されたら何を思い浮かべますか。
用語を置き換えればいいのかな。
作業ボリュームはどのくらいだろう。
規程はどのくらいあるんだろう。
こんな感じに作業を具体的にイメージして、期間内に終わりそうかどうかを見切ろうとしますよね。
ちょっと怖いなと思うのは、「修正してよ」と言われて無意識に「修正してしまって問題がないんだ」と思い混んでいる自分がいることです。
確かに、用語の差し替えという単純作業であればそれで終わってしまうのかもしれません。検索機能で特定して、置換機能を使えばあっという間です。
でも、これ本当にそれでいいのでしょうか。依頼者は、対象範囲となる文書、この場合は規程をどこまで対象範囲として把握して、且つ、修正方法は置換だけでいけると見切っているのでしょうか。
作業の依頼=前提条件に無意識に置換だけでいけるのかな、という条件が成り立つと勝手に思い込んでいるのではないでしょうか。
置換作業という単純作業が成り立つという暗黙の前提は誰が言ったのかというと、誰も言っていないのですよね。依頼者は用語の修正しか依頼していないのですから。
とすれば、仕事をやる方が勝手に暗黙の前提を置いて進めてしまおうとしているということになります。
これは危ないですよね。依頼には間違いがないと依頼自体に疑問を持っていないのですから。
疑い始めたらきりがないですが、仕事なんて間違いだらけです。え、そんな背景があったの、なんて経験したことがあればわかっているはずなんですが…。