視野を広げる質問力を鍛えよう

20代のころに研修に行くときは、「今日は1日仕事しなくていいなー」なんて思っていたときもありましたが研修だって立派な仕事なんだから成果がないと研修に行っている意味がないですよね。


あるときにターニングポイントがあって研修に行ったら必ず何かお土産を持って帰ろうとか、質問を1つはして帰ろうとか自分に目標を持つようにしたんですが…。


質問を1つはして帰ろうなんて慣れないことを始めようとすると、何を質問していいかわからないんですよね。


質問ができないのは、その研修が理解できていないからなんですが。そうすると、質問をするためには研修自体をその場で理解しないといけなくなるわけで、研修に集中しないといけなくなるわけです。まぁ、これも仕事だから当たり前なんですけどねぇ…。


研修の最中に頭に入らなくて、「わからなくても後で見直せばいいや」なんてやってしまうとまず質問ができない。そういう状況になると何をしなければならないかを考えるようになるんですね。で、どうしたかというと、概念だけでも理解することを考えるようになります。仔細はあとでググればいいと。だけど、概念、しくみがわかっていないと何も残らないから後になって調べようもできなくなる。


いやいや、「研修ならテキストがあるじゃない?」と思うかもしれないけれど、読み返しますか、テキスト。ほとんど読み返したことがない…。個々の学習に対する姿勢は棚に上げて、研修の場で概念、しくみを理解することにしたわけです。


これはこれで良い訓練になりますね。研修の場で概念、しくみを理解することは。フレームワークを理解することですから。現場で状況からしくみを可視化したり、起きている事象から共通項を抜き出したりと。


さて、話を戻します。1つ質問をするために概念、しくみを理解することに集中するようにしたわけです。しくみがわかるようになると、不思議と質問ができるようになります。それは、概念、しくみを自分の仕事にあてはめてケースを考えるようになるからです。研修で教わるしくみにあてはめると、正常ケースはテキストどおりになるけれど、別のケースならどうればいいのか、とか。


そうした別の視点を見つけるときのポイントを挙げてきましょう。

  • 正常ケース以外ならどうなるか
  • 時間軸を過去から見たらどうなるか
  • 時間軸を未来から見たらどうなるか
  • 役割を変えたときにはどうなるか
  • 別の価値観から見たときにはどうなるか


これらのポイントは、研修で学ぶテーマの概念、しくみを理解していて、その考えを中心に置いたときにそれを外から見ている自分の位置をずらすことで物事の見え方が変わるかを試しています。正面から見る概念を裏から見たらどう見えるか。一歩距離を置いてみたらどう見えるか。過去の自分が見たら、未来の自分が見たら…と空間や時間軸をずらすことでどう見えるかを考えます。


そうしたことを考えるときに、漠と考えるよりは自分の身の回りの実例をあてはめて考えてみるとわからないことが浮かんできます。それを質問するのです。こうした質問をする訓練をすると、普段の仕事の中で検討する範囲を漏らすことが減るんですよ。最初から正常と反対の異常をどう扱うかを考えることが当たり前になりますから。