システムエンジニアと見積もりと

ある週末の某所でのこと。ふとお友達の一人からこんなネタを振ってきたわけで。

「見積もりってあるじゃん。どんな人にやらせている?」
「そうだね、ワタシの経験だとPM経験者か技術リーダができる子かなぁ。あと、自分」
「そうなんだよね、ボクも自分で見積もっちゃう」
「質問に質問で返すけど、どうしたら見積もれるようになると思う?」
「置かれている環境じゃないかな。経験させるしかない」
「そうするとだ、恣意的に経験させたりしているってこと?」
「そういうときもある」
「でもさ、さっきワタシが言った技術リーダなんて技術仕様は見積もれるんだけどさ、必ず抜けがあるんだよ」
「どういった?」
「技術リーダができるくらいだからエースだったりするわけ。そうすると、自分がやったら、で見積もってくる」
「うちだとその逆がおおい。メンバに見積もってもらうと3ヶ月って出てくる。ボクが見積もると6ヶ月かかるはずなのに」
「倍も違うの。どうしてそうなるの?」
「要件の難易度を見抜けないから、設計の時間が少ないのと、難度が高いからテスト工数も多くなる。それを見抜けない」
「難易度ね。なら、そうなるわ」
「結局、メンバが見積もった抜け漏れを指摘して、さらにこっちで係数をかける」
「それに利益が乗るから契約で難儀するだよなぁ」

「じゃあ、見積もりできる人ってどんな人かなぁ」
「うーん、そうだな。要件定義ができる人」
「もう少し」
「見積もりって要件定義のようなものなんだよ。要件を見抜けないと何を作ればいいか想定できないから」
「まぁね」
「要件亭ができない人=何を作ればいいか決められない人、なんだよ」
「ワタシはそれをプロジェクトのシナリオを書ける人と表現するけどね」
「中身は同じだと思うよ」
「まぁね」
「あとさ、知っている人を知っていること」
「それ大事。ワタシはさ、技術領域はさっぱりだけど、見積もりのシナリオは書ける。技術的な視点の材料を組み合わせてプロジェクトのしくみを構想するわけ。あとは技術的な視点で見直してもらえればだいたい問題はないかな」
「そういうこと」

「昔というかさ、タバコ部屋ってあったじゃん」
「あったね、今は野外の片隅だったり駆逐されたよな」
「タバコ部屋で、営業とかがいい感じでやってよ、やりますよ、見たいな案件が随分なくなったらしいね」
「そうなんだ、タバコやらないからな」
「そのせいというか、おかげでちゃんと見積もらないと案件が取れなくなったって」
「いいことじゃないの、システムエンジニアとしては。スコープとかがはっきるするようになって」
「でも、見積もりで何を書かないといけないのか知らないシステムエンジニアがおおい、というかほとんどな実情もあるしね」
「プロジェクトに参画するメンバ、もちろん、社員だけになるけど契約書をちゃんと見せてあげてほしいよな」
「ほんとそう。最初はとっつきにくいけど、これは慣れるしかないんだよ。で、どうしてそう書いているかを理解しないと」
「理解できなくてもいいよ、疑問に思って質問してくれれば。なぜこの条文が必要なのかを」