プロジェクトマネージャにアサインされたときの困らないために準備しておくこと
誰だって、プロジェクトマネージャをやらないといけなくなったときに、プロジェクトマネージャに必要なスキルが装備されてプロジェクトを始めるなんてありえません。マネージャがこのメンバならプロジェクトを任せられるスキルも実績もあると見極めた上で任命します。ただ、このマネージャの人を見る目は良い意味でも言葉どおりのままでも大概あてにならないのですが。
形式知
形式知とは、プロジェクトマネージャに必要な前提知識を意味します。プロジェクトマネージャに必要な知識は2種類あって、ひとつはプロジェクトマネージメントに関する知識です。これはプロジェクトのマネジメント、意味合い的には担当するプロジェクトをコントロールするために必要となる手法です。デファクトスタンダードはPMBOKです。
このプロジェクトマネージメントの手法をインプリメントする際には、マネジメントから求められる管理要求に対して応えられる管理単位に成っている必要があります。これは、プロジェクトマネジメントは経営サイドから見たときのマイクロマネジメントであることを認識することで理解ができますが通常はプロジェクト自体へのQCDの圧力が強くプロジェクト自体が複雑化しているために気づいている人はいません。
ふたつ目は、システム開発手法です。プロジェクトマネジメントはプロジェクトをコントロールするための手法であって、プロジェクトの目的の成果物を実現するための手法ではありません。それはアジャイルのスクラムだったり、ウォーターフォールだったりします。そのシステム開発手法はプロジェクトの要件をQCDとして実現できるシステム開発手法を選択する見識眼を持っていなければなりません。
これらのふたつの形式知は知識だけ持っていても全く使い物にはなりません。例えば、2000年代にPMBOKがブームになり、PMBOKを知っていればプロジェクトが上手くいくといったような風潮がありましたが、現場で使うプロジェクトマネジメントの具体的なツールがなければただの概念でしかありません。
経験知
経験知は、システムエンジニアとしての経験全てではなく、プロジェクトマネージャとして必要なプロジェクトマネジメントを遂行に関する経験を指します。これは意識的にプロジェクトにおいて、経験を積み重ねることが必要となります。
例えば、形式知のプロジェクトマネジメントの管理手法の中の進捗管理は、手法を雛形にインプリメントする進捗の管理手法のテーラリングを行い、それを実際のプロジェクトに適用し、適合状況を観察しながら適用状態を求める状態に調整するところまでを含みます。
こうした経験知を形式知とのすり合わせを行いながら調整し、プロジェクトで再利用することで成熟度をあげます。
ただ、プロジェクトマネジメントのエリアは広いこととプロジェクトの契約範囲や組織の中の分掌で役割分担により、経験できる幅の違いが出てきますので全てのエリアをカバーすることが目標とはなりません。
基礎となる定性的スキル
このほか、方法論や技術手法に当てはまらないプロジェクトマネージャ自身のシステムエンジニアとしての基礎となる定性的スキルがあります。これらは、技術的にできるできないと評価がし易い対象ではなく、本人の性質に拠り所を持つ極めて定性的なものです。
これらにはコミュニケーション、表現、関係、意思、感情制御などが含まれます。
qualify
プロジェクトマネージャにアサインされるときに持ち合わせていなければならないものは、形式知が必須です。経験知は、アサインされるプロジェクトで必要となるエリアがカバーできていれば当座はしのげます。基礎となる定性的スキルは、どれもある程度求められますが、プロジェクトの運営をコントロールできるのであればカバーはできるでしょう。
マネージャが見切れない理由
そうした3つの要素がアサインされるプロジェクトで必要とするエリアと成熟度を持っていればまずまずだとは思いますが、それを見たいしているかどうかをマネージャが見極めることが難しい、見切れないということを言い切るのは、これらをカバーしてアサインをするのは情報自体がプロジェクトマネージャにあって、断片しか知らないためだからです。