休みまで働くことが前提のRACIやSOWでは質が低下しても当然としか言いようがないのでシステムエンジニアのみなさんはちゃんと休みを取りましょう


子どもが中学校にあがって驚いたことは、夏休みの間に部活動の予定がみっしりと詰まっていて、オフ、つまり練習や試合のない日はお盆くらいだということだった。仕事をしているこちらの方が休みを子どもに合わせるというどっちが忙しいのかわからない状況で日程調整が必要になったこと。幸いにして子どもは学校が好きで部活も好きで、家族旅行より部活を選ぶ価値観を持っている。こちらとしては、交通機関の混雑回避もありお盆の時期を外して計画したいが、前述の理由から選択肢はないのだ。


週末の学校行事は進学、幼稚園から小学校、小学校から中学校と経るごとに減っていく印象を持っている、それでも、平日は仕事を持っている親御さんへの配慮なのか週末にイベントを催す。そうしたイベントに出かけるといつも思うことは、

「先生は一体いつ休みを取っているのだろうか」


というもの。正直、もし今から教師をやってくれと言われても、魅力を感じない。児童や生徒に専門を教えること自体には魅力を感じるが、休日までイベントや部活動で潰れるのは給与体系は知らないけれど等価でないような気がしてならない。


週末のワールドニュースでフランスの学校教育について教師が言っていたことは「学校では授業以外は働かないし、授業が終わったら学校は施錠してしまう」らしい。これはこれでいいんじゃないのと正直思った。


世の中にはRACIチャートというものがある。RACIチャートは、行に業務を列挙し、列にロールを並べ、交差点に下表のRACIのいづれかを記載する。通常、RACIの頭文字を記載することが多い、また、約束事として「A」の記載は行に対し1つに限る。

Responsible (実行責任者) タスク達成のために働く責任者。複数のリソースについて責任を持つことがある。
Accountable (説明責任者) タスクの正しい完了について外部からの問合せに対して責任を持って対応する。各タスクの窓口は1つでなければならない。
Consulted (協業先) 意見を求められる者。双方向の対話。
nformed (報告先) 進捗を常に把握している者。一方向の通信。

引用 RACI図 - Wikipedia


知っている範疇での学校の業務と業務で表を作り、それについてRACIを当てはめてみる。ある意味、現状分析のようなものである。

業務 教師 管理職 教育委員会 父兄 地域
授業 R A I n/a n/a
部活 R A I C I
学校運営 R A I C C


RACIをつけていて現状分析であるからそう表記せざるを得ないが、部活動は本来の教師の業務として明記されたSOWなのだろうか。もし、そうであるなら相応の報酬がなければならないが、聞き知っている限りでは休日の日当はスズメの涙程度、らしい。まぁ、きちんとした報酬があったとしてもすべてをそのままいうことはないと思うが。


それはさておき、休日までを部活動に使っていて教師の質の向上、つまり継続的な成長のための自己研鑽に取り組むことは可能なのだろうか。これは長時間労働からくる質の維持のための時間もままならないという懸念を示しているのではないか。


同じようにシステムエンジニアだって、週末まで仕事をするようなプロジェクトであれば、同じことが起きるということである。なんとなくSOWを業務量としての評価をしないままに変更もせずに続けていると次第に質が落ちてくるのは、本来の核となる業務の質の維持や向上に必要な時間を割けなくなるからである。


このような現状分析は本来、監督を所轄する部署が率先して行わなければならない。現場は決められた(ままの)SOWに基づいて遂行する以外ないからである。


であれば、SOWを定期的にに見直していない分掌の担当は不作為としか言いようがない。そう言われないためにもさすがにそろそろ部活動は誰の仕事かを見直した方が良い時期に来ているのではないか。


なんて書いても、その世界ではRACIもSOWという言葉自体存在しないのだろうなぁ。