タックマンモデル(動乱期と安定期)が混在したままチーム運営せざるを得ないのが今のプロマネの限界なのではないか

PMBOKなんてデカくて重いし、改訂の度にページは増えるし、なので滅多にpdfを開くこともよほどのことがない限りはないのですが、タックマンモデルというチーム育成のモデルの初掲載はいつだろうと調べてみたら「PMP資格取得に向けてPMBOKガイド第4版を解剖する(2010年)」に記載があったので遅くとも2008年第3版か2009年の第4版に記載されていたのかもしれません。

#第1版1996年、第2版2000年、第3版2004年、第4版2009年

 

タックマンモデル

タックマンモデルはご存知かもしれないが掲載すれば次の5つの段階をチームは経ることになるようです。

 

成立期

この段階では、チームが顔を合わせプロジェクトの内容とメンバの公式な役割と責任について学ぶ。この段階では、チーム・メンバは、ここに独立しており、心を開いていないことが多い。

 

動乱期

この段階になると、チームはプロジェクト作業、技術的な決定、プロジェクトマネジメントに活動に取り組み始める。チーム・メンバが協力的でなく、異なる考えや観点に心を開かない場合は、チーム環境は非生産的なものになる。

 

安定期

安定期には、チーム・メンバが一緒に作業を始め、チームを支援するための自らの習慣や行動を調整し始める。ここでチームの間に信頼関係が築かれていく。

 

遂行期

遂行期に到達したチームは、よく組織されたグループとして機能する。相互に依存関係を保ち、課題に円滑かつ効果的に対処できる。

 

解散

解散期には、チームは作業を完了して、プロジェクトから転出していく。これは、成果物を完了したり、プロジェクトやフェーズの終結プロセスが実行される一部として、プロジェクトから要因が離任されたりするときの一般的な段階である。

 

この5つの段階は、シーケンスにステップアップするとは限らず、チームの関係性から停滞したり、戻ったりすることもあるようです。

 

また、メンバの一部が以前に一緒に働いたことがある場合は、いきなり途中から始まることもあると注意書きとはいかないけれど、説明文があるのです…。

 

これらの段階を順次に経ていくが、特定の段階で停滞してしまったり、以前の段階に逆戻りしてしまったりすることも珍しくはない。過去に一緒に働いていたことのあるチーム・メンバがいるプロジェクトでは、ある段階を飛ばしてしまうこともある。

 

です…と引きずっているのは、暗黙で安定期以降に飛ぶんだろうなと思うのですが、その前提もさらにあるのではないかと思うのです。

 

もし以前のプロジェクトで信頼関係が築けられていなければ、動乱期のままのプロジェクトできちんとプロジェクトは終了しなかったでしょうし、そのようなメンバで新しいプロジェクトをチーミングしようなんて思わないでしょうから。

 

まあ、PMBOK自体がプロジェクトを成功させるための知的体系の共有なので当然と言えば当然なのですけれど。

 

現実には、動乱期と安定期が混在したまま続くプロジェクトが多いのではないかと思うのです。

 

そしてその2つの段階から脱却できないままプロジェクトを四苦八苦させながら終了させているのが今のソフトウエアエンジニアリングなのではないか、と。

 

 

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第5版 (A Guide to the Project Management Body of Knowledge)

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第5版 (A Guide to the Project Management Body of Knowledge)