育てたようにしかエンジニアは育たない

最初、別なことを書いていたけれど、別なことが頭を過って、そっちの方が書きたくなったので書き書けを気持ちよく消して書き直し。

 

最近のテレビ番組の凋落ぶりがひどいのは周知の事実で、特にバラエティ番組は一般にしてはいけない、いじめや不快なコンテンツをわざと逆張りでやっている感があるけれど、そのようなコンテンツを流し続ければどうなるかというと、そうしたコンテンツで育つ群衆が出来上がるわけです。つまり、テレビ局はそういった番組を志向するセグメントを自分で生産しているのです。そんなことをしているのに一方では政治や環境といった番組を作っても別のコンテンツを志向するセグメントには関心さえ向けてもらえなくて、政治や環境といったテーマの番組もバラエティ番組化するんですね。そのスパイラルに入ってしまっているからどれを見ても同じになっているんです。

 

つまり、コンテンツを提供する側が先々を見て策を打っておらず、目先のことばかりやっていると自分で自分の首を絞めることになるのです。これと同じことが、テレビではなく、仕事の育成でも起きています。次世代が育たない、あいつはダメだ、などというマネージャがいるとお前が何もリソースを割いて活動をしていないのに一体どうしてお前が期待する次世代や育成候補者が育つんだよ、と思うのです。自分事じゃないので関わりませんが。逆に、自分事なら関わりますけどね。越権行為に当たることはしないだけです。

 

エンジニアは勝手に育つというエントリがあったと思います。あれはそうだと思いますが、そうでもないよとも思うのです。本人がこれ楽しいとかやろうとか思うことが一番大事なのですが、それをやれる環境などの支援はマネージャの領分です。マネージャが支援をしなければ成長は実現しない部分が多いのも事実です。一番わかりやすのは仕事のアサイン。やりたいこととドンピシャな仕事があればいいのですけれど、ほとんどなくて、ちょっと違うけれど解釈をちょっとずらせばそれほど外れてもいないケースがほとんどなので、そうした解釈やアサインの意図をアドバイスするのもマネージャの仕事の一部です。こちら(マネージャ)の立場としては育ってもらうのが仕事なのでやるんですけど。

 

これも結局、目の前の仕事にばかり目をやって、先々を考えて手を打っておかないと必要なとき、つまり3年後や5年後、10年後に人材が育っていないことになるんです。それを部下になすりつけちゃいけない。育てられないのはマネージャのお前が能力不足だったのだから。まあ、そんなマネージャを選んだ経営もまた同じ構造なのですけどね。こうしたマネージャや経営の下に優秀なエンジニアがいるとある程度でやめるかそれの代替になろうとします。辞めるのは愛想をついてだし、代替になろうとするのはルールがわかったので攻略しようとするんです。後者はオペレーションマネージャにしかならないですが。

 

個人的な感覚で言えば、人材を育てるマネージャは成果で物事を見ていて、評価も成果で判断すると思っています。そういったマネージャは、逆に言えば、時間で縛らないでエビデンスを確認する。だからドライに見えるかもしれないし、マネージャ自身が色々と社内外問わず活動をしている人の方が多いです。そんなマネージャの下で働く方が不条理が少なくていいです。自分の成果を見てもらえるから。